天才画家「佐伯祐三」真贋事件の真実

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  • 時事通信社
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788797185

作品紹介・あらすじ

「佐伯祐三未公開作品」を所蔵した人物とは何者か?何故それを所持できたのか?キャンバスの裏側に描かれた日本近代の裏面史を追う。

感想・レビュー・書評

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  •  佐伯祐三とは1920年代のパリの路地裏などの日常風景を描き、独特の画風と、わずか30才の若さで精神を患いパリにて客死という悲運によって、今なお絶大な人気を博している天才画家だ。
     
     佐伯は短い人生の中で、結核に体を蝕められながらも、次々に作品を量産し、その作品の多さから、写生現場で情熱のままに一気呵成に絵を描きあげた、ということが定説になっている。
     
     しかし平成6年に岩手県遠野市で未発見の佐伯作品が大量に発見されたことによって事態は一変する。真作と鑑定した美術界の専門家たちと、贋作と鑑定した美術商による真贋論争が始まった。
     
     さらに作品とともに大量に見つかった書簡によって、現在、大美術館に代表作として所蔵され、市場価値が数千万から数億にもなると言われている作品にも他人の手が加わっている疑惑が生まれた。その「他人の手」というのが誰か。その追求がこの本のテーマだが、それが明らかになったときは大袈裟ではなく、驚愕する。 それが事実だとすると、佐伯雄三を天才たらしめたのは、「手を加えた他人」の功績が大きいからだ。

     しかしその後、政治的な駆け引きや美術市場の安定のために真贋の狭間に翻弄されたこれらの作品群は、恣意的なマスコミ報道も重なり闇に葬られてしまった。
     
     アカデミズムの壁を在野の研究者が破るのはなかなか難しい。
     
     とにかく下手な美術ミステリーを読むより、こっちのほうが数倍面白い。

  • 私にはまだ難しいが、佐伯祐三が好きなので、必ずいつか戻ってくるから

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著者プロフィール

落合 莞爾
1941年、和歌山市生まれ。東京大学法学部卒業後、住友軽金属を経て経済企画庁調査局へ出向、住宅経済と社会資本の分析に従事し、1968~69年の『経済白書』の作成に携わる。その後、中途入社第1号として野村証券に入社、商法および証券取引法に精通し、日本初のM&Aを実現する。1978年に落合莞爾事務所を設立後は経営・投資コンサルタント、証券・金融評論家として活躍。日本および世界の金融経済の裏のウラを熟知する人物として斯界では著名な存在である。著書に『金融ワンワールド』、落合秘史シリーズ として『明治維新の極秘計画』『南北朝こそ日本の機密』『国際ウラ天皇と数理系シャーマン』『奇兵隊天皇と長州卒族の明治維新』『京都ウラ天皇と薩長新政府の暗闘』『欧州王家となった南朝皇統』『日本教の聖者・西郷隆盛と天皇制社会主義』、』國體古代史に敢然と挑んだ『天皇とワンワールド(国際秘密勢力)』、『天皇と黄金ファン』、「天孫皇統になりすましたユダヤ十支族』(いずれも成甲書房刊)がある。

「2017年 『活字に出来ない《落合秘史3》』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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