- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788910706
感想・レビュー・書評
-
世に数多とある勉強術本の一冊です。
一番の趣旨は、
「高速大量回転」
とにかく、テキストを高速で繰り返し繰り返し読む。
著者は「速読術」の著者でもありますので、
「高速」というところにこだわりがあるのかもしれません。
が、この本は「速読」そのものには言及していません。
速読出来るかどうかはポイントではありません。
速読出来ればそれにこしたことはないのでしょうが、「速読」で「高速回転」するのではありません。
まず、テキストを眺めるように見ること。
分からないところ、分かるところを判別するように見ること。
分からないところを追求しないで、分からないなりに、繰り返し読むこと。
私自身、難関と言われる資格取得を目指している身ですので、
「高速大量回転」には、「なるほど!」と思うところも多々ありました。
ただ、この手法自体は、昔からありました。
もう20年近く昔ですが、世界史のテキストを1日1回以上回転させていた経験あります。
その時、どういう勉強法の本を読んでいたか覚えていませんし、予備校の先生が言っていたことかもしれませんが、この勉強法自体、あたらしい発想という
わけではないと思います。
そのため、著者は著者なりの「色」をつけています。
「色」の中には、「突飛」「奇抜」と思えるものもありました。
その中から気になったものをいくつか。
・テキストから読むな。まず過去問を読め。(解くのではない。というか、当然解けない)
→司法書士試験でそれを試そうと、まったく学習しないまま過去問を買い、「読もう」としましたが、まったく理解出来ないものを「読む」はおろか、「見る」ことも苦痛です。だって、ただの文字列をいくら眺めて、何が分かるでしょうか。「*@&△・・・」といった「記号」を眺めていることと変わりませんでした。
・テキストに書き込む時は大きな文字(著者の書き込み写真を見ると、視力検査の一番上の文字か、それ以上の大文字です)で書く。
→それだけの余白があるテキストがあるでしょうか? 書き込みたいポイントは、少なくとも1~3ページに一つくらいはあると思うのですが。あまり実用的だとは思えません。
・覚えたところは太ペンで×印をつけいけ。そうすることで、「回転」させる箇所が少なくなり、より「大量回転」させることが出来る。太ペンは黒以外の水性であれば、×をつけたあとでも読むことは出来る。
→これは少し興味あります。「×」をつけるという行為が楽しそうなので、「×」をつけるために、より「覚えたい」という欲求が沸いてくるかもしれません。
・見開き2ページ丸々覚えた部分は、ホッチキスで綴じろ。
→これは斜め上いってます。
1月1日にに完璧に覚えたと思っても、長期学習覚悟の資格で、そのページをまったく見ないで、翌年1月1日に覚えていると思いますか?著者の「覚える」というのは、内容を覚えるというより、フォトリーディングのように、「ページの構成」から覚えてしまうような覚え方なので、そこまで完璧に記憶出来れば、二度と忘れるはずはないという論理なのかもしれませんが、これはもう、「そんなめちゃくちゃな・・・」と思わずにいられませんでした。
総体としては、「ラクして合格」という勉強法ではなく、「ラクに大量に学習せよ」という結論だと思えました。
実際、3秒でも時間があったら、勉強しろ(=3秒あれば思い出す作業をすることが出来る)というスタンスなので、とにかく、「勉強」「勉強」の生活を送れ、というスタンスに近いですね。
その辺は、「ラクして短期合格!」というような文言をうたっている学習本より好感が持てました。
とくに、「この勉強で合格出来るだろうか」など、不安に思う時間があれば、その時間で勉強しろ、という言葉は元気づけられました。
本当、資格試験の膨大な学習量を前に、「これを習得出来るのだろうか」「私に出来るだろうか」・・・そういう不安は多いのです。
うん、「万里の道も一歩から」
この本の学習法をすべて実践はしないと思いますが、自分にあったエッセンスは抽出して、活用していきたいと思います。
最後に・・・
こういった学習術本に一時はまってたくさん読んでいた時期がありましたが、もうあまり読むのは止めようと思います。
その間に「勉強」「勉強」!
実践あるのみ。
頑張ります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
勉強術はどんどん進化してますな。本当に書籍が多い。。。