いま、なぜ地方分権なのか

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  • 実務教育出版 (2007年6月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788926219

いま、なぜ地方分権なのかの感想・レビュー・書評

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  •  地方分権推進委員会に関わり、地方分権一括法の制定などにも携わった有識者による対談。

     今、橋下大阪府知事や中田横浜市長らの首長連合の動向が注目されているが、地方分権は何の目的のために行われなければならないのか。それはその地域の住民のためであり、地域の実情に合わせた政策を実行できる地方政府なのだろうが、その過程にはいろいろと問題がある。

     たとえば、財源の移譲の問題。この本には書かれていないが、国の予算と地方の予算の規模の比が4:6なのに対し、国税と地方税の規模の比は6:4。さらに霞ヶ関の中央省庁も自分の権限をおいそれと地方に委譲することはないだろう。

     私は地方分権を推進すべきだと思うが、財源の問題を踏まえずして地方分権や道州制を語っているようでは、そんな構想も砂上の楼閣に終わるだろう。

     それから、自治体、住民レベルでの地方自治を育てるという問題もある。例えば中央省庁は地方の学校の天井の高さやバス停の位置まで細かく規定しているが、それが地方自治が求められる時代に必要なのか。

     その背景には、自治体が今までこうした霞ヶ関の法令体系の保護下に置かれ、依存体質から脱却できないという問題もある。1950年代以降の高度経済成長期など右肩上がりの時代にはこれが功を奏したのだが。

     とすると、「地方自治を育てる」という視点が必要だが、住民が地域単位でのボランティアやタウンミーティングへの参加といった実績を積み、自治体がそういった住民をバックアップしていく姿勢をとらない限り、地方分権も難しいだろう。

     イギリスの政治学者・ブライスは「地方自治は民主主義の学校」
    と言いましたが、その言葉を痛感した。まず地方の行政から国の行政を変えていく必要があると思う。

  • ○どうしてこの本を選んだのか?
    Pro-Kの主要な活動テーマである「まちづくり」や「地域活性化」を考えると、「地方分権」という政治・行政上の動向がよく関連し合っているイメージがあります。「地方分権」という動きがどのようにして生まれ、「まちづくり」や「地域活性化」とどう関わってきたのか、これまでの経緯などを知ることは、今後の活動においてとても価値があるものになると思い、本書を選択しました。

    ○本の内容の簡単なまとめ
    かつて政府の地方分権推進委員として地方分権改革に携わった行政学者ともう一人の行政学者の対談の書き下ろしで、改革以前の地方自治の実情や、改革を行った際の中央省庁の官僚の抵抗の様子が非常にリアルに述べられています。そのほか、今後の更なる分権改革における課題や「道州制」についての基本知識などを、対話形式からわかりやすく知ることができます。

    ○今後自分の活動に生かせそうか?
    例えば、KFとして何か新しい事業を起こす時に、国や都、市から交付される補助金を活用することがありますが、本書を通じてこうした補助金がどのような仕組みを持ち、どんな問題点があるのか(そもそも問題点があるのかどうか)を含めて知ることで、実際に補助金を使いながら、本来あるべき補助金制度とはどのようなものなのかといった、学問的に一歩踏み込んだことを考えることができると思います。また本書では、実際に自治体で行われた福祉的なサービスの例がいくつか挙げられていますが、こうした事例を今後の活動の参考にしていくこともできると思います。

    ○その他
    上でも述べたとおり対話形式の本なので、専門用語がたくさん飛び交うものの比較的わかりやすく、「地方分権」について基本的な知識が得たいという方には最適だと思います。ただ出版年が2007年のため、自民党政権時代までの内容しか入っておらず、2009年の政権交代後に民主党政権が進める「地域主権改革」については触れられていませんので、これについて知りたい場合には、別の書籍をあたる必要があります。

    (1年 Y.M)

  • 対話形式で読みやすい中、教室の高さ規制の運用についてなど、
    矛盾点の面白さがありますよ、これは。

  • 08/05/17、ブックオフで購入。

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いま、なぜ地方分権なのかはこんな本です

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