“It”と呼ばれた子 (少年期) (ヴィレッジブックス N ヘ 1-2)
- ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ (2003年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784789719926
作品紹介・あらすじ
「ぼくには、どこにも居場所がない」-すさまじい虐待から逃れ、ようやく子どもらしくのびのび暮らせると思えた里子としての暮らし。しかし、そこでも数々の試練が彼を待ち受けていた。母親から離れてもなお恐怖にさいなまれ、それでも母親に愛されたいという思いに心を揺さぶられる日々。学校や少年院でのつらい出来事や世間の偏見の目にさらされながら、それでも希望を捨てずに自分の生き方を探しつづける。カリフォルニア州史上最悪と言われた児童虐待の体験者が自ら明かす、少年期の記録。
感想・レビュー・書評
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第2段。母親の虐待を受けて育ったデイビットが、里子として育った12歳から18歳までの少年期の記録。虐待の描写を記録した幼年期の第1段はねっとりと絶望感で覆いつくされていたが、第2段は多くの支援者の手によって新しい人生を歩んでいく希望に満ちあふれている。ただし周囲の人間とのトラブルが絶えず、ハラハラどきの展開が満載だ。かなり濃い内容で、個人的には第2段の方が読みごたえがあった。そして、こうした子ども達を救うためには、虐待の芽を摘む社会システムがしっかり機能していることが重要だと強く感じさせられた。
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衝撃的な物語だった。
母親から虐待を受けて育った少年が、数々の里親に育てられながら自分を見つめ、失敗を繰り返しながらも生き抜いていく。
作者本人の過酷な物語。
それはもう、壮絶な、悲惨な、私の日常生活ではあり得ない物語なのだが、愛情深い里親に恵まれ、筆者は次第に道を見つける。
世の中にこういう子供がいるのだということを認識しなければいけない。
里子だと差別してはいけない。
色々勉強になることが多かった。
これほどまでの虐待を受けていても、子供は母親の愛情を求めるのだと、改めて思い知った。
多くのことを考えさせらる本だった。 -
シリーズ2作目。
里子として過ごした、12歳から18歳までの少年期について。
一度里親が見つかりそこの家庭に入ると、ずっとその家庭で大きくなるまで過ごすイメージだったけど、全然違ったんだ、と驚いた。めちゃくちゃ沢山の家庭を大人の都合で、言葉は悪いけど「たらい回しにされている」感があって悲しくなってしまった。これでは落ち着いて成長している暇も無いじゃないかと。
ただその中でも愛情を注いでくれる家族に巡り会えたのは良かった。
最後母親に電話して「なぜ?」と問いかけたことがサラリと書いてあったけど、そこのところが一番気になる。次の巻で詳しく触れられるのかな。 -
地獄からの脱出
終わらない試練
たくましい生き方をすごいと感じる一方、悲しくもある -
幼少期は、ひたすら、辛い・辛い残酷・凄惨な毎日について。
少年期についてのこの一冊は、保護されてからも続く母親への恐怖、
一方で、それでも愛されたいという願い、自分の居場所を求めての試行錯誤・・・。
幼少期はあまりにもひどすぎる経験に現実味がなくあまり涙が出なかったが、
少年期は、人の優しさに触れる部分が出てくるたびに、涙が出て止まらなかったほど。
よかったね、よかったね。。。
トラウマを抱えた子どもの、更生への歩みという意味では、トリイ・ヘイデンの著書を思い出した。
シーラなどのように、専門家に導いてもらえる子どもは、本当に本当に一部の子でしかないのだ、ということがとても悲しい。 -
「母さんは、ぼくが憎いの?」「ぼくには、どこにも居場所がない」...。子どもにとって母親はどんな事をされても、帰る場所であり、居場所なのだと思う。そう思える私は、たとえ貧しくとも幸せだったのだなぁと思う。虐待から逃れ、里子としての暮らし。しかし、そこでも試練の数々。それでも希望を捨てずに生きる事を探しづける彼は、見えない先に何を見ていたのだろう...。
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まともな教育をされずに虐待を受けてきた子が社会になじむのはきっと不適切な扱いをうけていた倍以上の時間がかかるのだろう。しかも家を転々とする生活や養父母の不仲をみているのはよい環境からはほど遠い。
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#読了
とても重たくて辛いけどどこか前向きな気持ちで読めた…気がする
1巻目よりかは前向きでした