“It”と呼ばれた子 (完結編) (ヴィレッジブックス N ヘ 1-3)
- ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ (2003年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784789720540
感想・レビュー・書評
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実母から虐待を受けて育ったデイヴの半生を記したノンフィクション。シリーズ完結編。大人になってからのデイヴの様子が語られている。何年経っても母親から受けた心の傷は完璧に消え失せることはなかったが、彼はけっして過去に屈せず、様々な葛藤を乗り越え、自らの手で人生を必死に切り拓こうとする。特に、最愛の人との出会いを通して、心が徐々に解放され、ようやく自分を認められるようになっていく場面には、思わず、涙してしまった。自分の人生を見つめ直し、もう少し踏ん張ってみよう、そう思えてくる素晴らしい作品であった。
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「母さんを、ぼくは許せるだろうか?」幼い時から実母による虐待を受け続けたのち、里子として偏見と差別のなかで成長し、18歳で空軍に入隊したデイヴ。かつてはヒーローだった父親が哀しい死を遂げ、結婚生活もまた悲劇に終わる。それでも、最愛の息子スティーヴンとのふれあいを通じて、癒されてゆく。そして、ついに母親との再会を決意。憎しみと許しのはざまで苦悩しつつも、人生最大の問いかけ―「なぜ、ぼくを虐待したのか?」と尋ねるために…。虐待体験者がトラウマを乗り越え、人間として生まれ変わるまでの魂の軌跡。
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虐待の幼年期、里子としての少年期。虐待、偏見、差別の中で成長し、空軍への入隊、父親との死別、結婚、別離、最愛の息子との生活。そんな歩みの中で自分の生き方を進み探し続ける。母親との再会をも決意する。今更何のために? 憎しみと許しの揺れ動くはざまで苦悩しながらも諦めず、乗り越えてゆく魂の叫びに感動する。
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虐待の連鎖は断ち切ることができるのかは、虐待の被害者が送る環境や自身の性格メンタルも関連しているのかな?と思いました。もし自分自身がその立場である場合、主人公のように強くいる自信がないです、腐り果ててしまうなと思いました。
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#読了
彼が強かったから生き残れたのか
運が良かったからなのか
よく分からないけれど
多分負けない、という意思だけは凄かったんだと思う
沢山の困難は誰にでも降りかかるけど
乗り越えていけたらいいな、と思う。 -
結局、なぜ母親が他の子ではなく虐待をしたのか、明確な理由は分かりませんでした。でもそれが現実の物語というものでしょうか。数々の苦難を乗り越えて普通に暮らす主人公の意志の強さは凄いと思います。
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よくここまで虐げられて、こんなに他人を思い立ち上がれるようになったのか。不思議なくらいに虐げられた少年のその後。いつまでもお母さんに認められたいと思い続けた大人になってもやはり母の呪縛から逃れられなかった様子が読んでてわかるほどでした。
ホント、こんなに虐げられても紆余曲折を経て普通に生きて生き抜いていくデイビット。
これを読むと、親の育て方で子供が曲がっていくわけじゃないんじゃないかなぁ。とすら思ってしまうよね。
引きこもりとか、いじめとかいじめられてとか、そういうの大きく飛び越えてしまっているからね。デイビッド君。お母さんに刺された。お母さんに腕焼かれた。お母さんに洗剤で皮膚溶かされた。お母さんに犬の糞食べさせられた。けど、強く逞しくそして、真っ直ぐに育ってるデイビッドペルザー君のその後の本でした。
ちょっとやそっとでへこたれられないね、こんなに苦労した人がちゃんとやってるんだからさ。