- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784789722612
作品紹介・あらすじ
中東シスヨルダンの小さな村。学校にも通わず、鞭で打たれながら奴隷のように働く17歳の少女スアド。恋愛は死に値する行為と知りながら、恋する気持ちは止められなかった。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃の記録。
感想・レビュー・書評
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島国には独特の生態系が築かれるというけど、隔たれた僻地には独特の文化が築かれるのかもしれない。それにしたってひどい文化だと感じちゃったな。
でもそれが普通で育ってきた人たちにとっては、それが普通なんだよな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
過酷な現実をわかりやすい文体で伝えている本
女性に生まれただけでこの扱い
教育を受けずに育つこと
ロバや羊以下として扱われること
この現代社会でこのようなことがあるんだろうか
本人がどこかで生きて暮らせますように
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今も世界のどこかで行われている名誉殺人。風習や文化の違なので、私はそれが間違っていると言うことは出来ませんが、殺されている女の子は、風習や文化が違えど、私たちと同じように恋をしたり好きな人が出来る普通の女の子でした。自分の味方であるはずの家族に殺されるのはどんな気持ちなのか想像がつきません。生まれる地域を選ぶことは出来ないのに、女に生まれた以上、一生奴隷のような生活を強いられるのはおかしいと思いました。こうして自分の意見を言えるだけでも私は恵まれた環境にいるのだと改めて気づきました。
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こういう話をみると、文化のせいとか宗教のせいとかなにかに「責任」をおしつけて、「ひどい」と憤ることで終わってしまいがちだけど、少し前までの日本でも、姦通罪とかあったし(不倫じゃない、これは恋しただけで火あぶりなんだからもっとひどい・・・とかいうことはさておき)それがいまやここまで来ているのだから、変えられないことは絶対にない!と言いきれる。
今も同じ目に遭ってる人がいるけれど、一人でも多く助けられますように。救われますように。 -
ぬくぬくと日本で生きてきた私にとって衝撃の内容でした。
こんな国が今でもあるのかと恐ろしく思いました。
イスラム圏内の国では今でも女性が男性と接触しただけで家族から制裁を受ける。
その制裁とは生きたまま頭にガソリンをかけて火を着けられるというもの。
それがある国ではごく普通に行われているということ。
とても狂っていますが、その国では悪いと思ってやっていない。
むしろ無断で女性が男性と触れ合う事の方がその国では罪なのです。
女性は家畜以下ということが普通。
悪い人は自分を悪いと思っていないから悪い事が出来るのかもしれません。
家族内殺人という恐ろしい正義。
名誉の殺人のターゲットになったスアド。
『人を殺してはいけない』は当たり前と思っていました。
その『当たり前』が通用しない国が本当に存在する恐ろしさ。
普通とか常識とか当たり前というものはいったい何なんでしょうか。
救いはスアドが生き延びた事。 -
「当たり前」って観念は、すごく怖いんだなと思いました。
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まずは、怖い。こんなことが世界のどこかで現実に起きているとはあまり思いたくはない。しかし真実でもある。
異なる文化圏のことを理解するのはとても難しいし、わたしたちの世界の正義を押し付けるだけではいけないのは分かってる。しかし、だからといって「これが私たちの文化です。こうやって他人を蹂躙して家畜以下に扱うのが伝統です。」といわれたからといって、文化や伝統という言葉で人間の尊厳や人権が踏みにじられているのを無視していいわけがないよね。 -
知人にすすめられて読んだ本。女性を物以下、家畜以下のように扱う世界がまだあることに怒りを覚える。文化・宗教の違いで済む話ではない。これが文化・宗教ならどんな殺人でも認められそうな気がする。