フィクションの中の記憶喪失 (世界思想ゼミナール)

著者 :
  • 世界思想社
3.67
  • (2)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 43
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790716020

作品紹介・あらすじ

小説、演劇、映画、漫画からゲームの中に現れる記憶喪失。十九世紀における登場から現代まで、虚構の中の記憶喪失モチーフの展開と機能を扱った、斬新なフィクション論の誕生。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんだか人間の記憶を含めて、全て何でもありの世界。いくらでも書き換えられるし、こだわりなんてない。自分の記憶に騙されないようにもう一人の自分に言い聞かせたい。

  • フィクションにおける「記憶喪失」というモチーフがどのようにして生まれ、発展していったのかをまとめた本。
    19世紀後半から現在までの「記憶喪失」を扱った作品をいくつも紹介しており、時代とともに表現やモチーフの扱い方が変わっていくのが面白い。
    「記憶喪失」と「戦争」がこれほど深く結びついてるとは思わなかった。
    かなり詳しく作品のあらすじが書かれているので、「記憶喪失」を扱う作品を知りたい時のガイドブックとしても◎

  • [ 内容 ]
    小説、演劇、映画、漫画からゲームの中に現れる記憶喪失。
    十九世紀における登場から現代まで、虚構の中の記憶喪失モチーフの展開と機能を扱った、斬新なフィクション論の誕生。

    [ 目次 ]
    第1章 モチーフの誕生(二十世紀以前;戦争と記憶喪失;ピランデルロ・シンドローム;大衆文化におけるモチーフ)
    第2章 モチーフの発展(繰り返される戦争とモチーフ;繰り返される戦争とモチーフ―スパイ小説と記憶喪失;帰還兵とフィルム・ノワール;サイコスリラーと記憶喪失)
    第3章 現代におけるモチーフの展開(フィリップ・K.ディックの衝撃;ゲーム化する想像力とモチーフ;日本におけるモチーフの展開―戦後史の欠落と健忘;日本におけるモチーフの展開―ジュブナイル的想像力と記憶喪失)
    第4章 機能的考察(記憶喪失が生み出す物語―リプレイと放浪;記憶喪失が生み出す物語―演技とコメディー;記憶喪失が生み出す物語―アナザー・ワールド(もう一つの世界) 記憶喪失が生み出す物語―生の親密さと記憶)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 記憶喪失やそれに類する出来事が重要なファクターとなる小説・映画・ドラマ、それにマンガ・アニメ・ゲームは山ほどある。しかしその登場が近年だと云うことは知らなかった。「記憶」に関する病理心理学的研究がなければ物語に登場することもなかったのだ。記憶の喪失がどのようにどんなふうにギミックとして使われているか数々の例を挙げていて面白い。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1958年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科芸術学(演劇)専攻博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、大阪公立大学大学院文学研究科文化資源学専修教授。著作として『現代演劇の地層――フランス不条理劇生成の基盤を探る』(2010年、ぺりかん社、日本演劇学会第四三回河竹賞受賞)、『フィクションの中の記憶喪失』(2013年、世界思想社)、『モダンドラマの冒険』(2014年、和泉書院)、Akihiro Odanaka and Masami Iwai, Japanese Political Theatre in the 18th Century: Bunraku puppet plays in social context (2021, Routledge)がある。

「2023年 『戦争と劇場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小田中章浩の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×