現代思想 2017年7月号 特集=宇宙のフロンティア―系外惑星・地球外生命・宇宙倫理…―

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791713486

感想・レビュー・書評

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  • 地球外生命は、いる!

    これはおもしろかった。「現代思想」を特集の最初から最後まで読んだのは初めてではないか???

  • めちゃめちゃにおもしろい こういう論考を読んでみたかったのよ
    系外惑星や宇宙生命に関する科学的な観点での現状の理解を解説する記事と、純粋に宇宙倫理学にまつわる思想的な記事とが集められています。前者は飛ばし飛ばししつつ、後者を重点的に読みました。おもしろいのは磯部洋明さんと呉羽真さんの記事。特に大きかった気付きは、天文学・宇宙科学の地球的な視点は個々の人間存在を粗視化することにつながるというハンナ・アーレントの批判。今まではそれは地球という一つの惑星に住まうわれわれ、という意識をうみ地球規模の問題を解決する視点を提供できるものなんだという意識しかなかったけど、確かに視点が広がることは同時に多様性の軽視につながりうる。グローバリズムと構造的には同じだ。しかし良い面があるのも事実だし、それが天文学の効能だと思ってるところはあるし、良い落とし所をみつけたい。
    しかし人類が宇宙に出ることがこれほどAIやらエンハンスメント(人間自体の性能を工学的にいじくって宇宙での適応力をつけること)の問題とかかわってくるとは。でもこれからどうするかというのは完全に自分たちのてのひらの中にあることだから、無関心であることは罪だと思う。シンギュラリティを恐れているだけの人は、選択権が自分たちにあることを自覚すべきだし、それこそ歴史に学べよと思う。必ずしも科学がもたらすのは平穏だけではないということは、唯一の被爆国だからこそ切実であるはずでしょう。

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著者プロフィール

たけうち・かおる サイエンス作家。1960年生まれ。東京大学教養学部教養学科、同大学理学部物理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了(高エネルギー物理学専攻、理学博士)。フリースクール「YES International School」校長も務める。著書に『99・9%は仮説』(光文社新書)、訳書に『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』(ポール・ナース著、ダイヤモンド社)などがある。

「2021年 『人と数学のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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