日本の神話伝説

  • 青土社
3.33
  • (1)
  • (2)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 52
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791754687

作品紹介・あらすじ

日本の神話はどのように成立したか。それは世界各地の神話とどのように比較されるのか。日本神話の主要な筋道をたどり、登場する神々や物語りの意味を明快に解き明かして、神話のヴァリアントともいうべき昔話や伝説にも目を配った、現在望み得る最良の日本神話ガイド。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久しぶりに日本神話の本を読んだような。主だったエピソードとその神話学的解釈が載ってました。そしてやっぱりナルト叙事詩が読みたくなりました。

  • この本は、『日本の神話伝説の意味を考える』と題された第一部と『日本の神話伝説のなりたちを考える』という論考の綴られた第二部で構成され、大きく分けて二つの視点から日本神話、特に古事記・日本書紀に記されたいわゆる『記紀神話』について述べている。
    前半の第一部には、この世界=宇宙の誕生の瞬間から有名なイザナギ・イザナミの結婚そしてイザナミの死、アマテラスと天岩戸、スサノヲとヤマタノオロチとの戦いやオオクニヌシへの国譲り、そして天孫降臨へと神話が時系列に沿って詳細な解説を加えて書かれている。その解説は、神話の世界と現実世界を繋ぐためのものだ。現在も各地に残る地名、祭りなどの風習、儀式などに記紀神話に記された物語が確かに息づいているということを筆者は豊富な具体例をもって幾度となく強調している。
    後半に記された第二部では、あくまで日本史と現在・過去・未来の繋がりによって読み解かれていた日本神話を、今度はグローバルな視点から解説している。シルクロードが東西の広い世界を繋いだように、日本神話に記された出来事や登場する神々にも、遠い西方から渡ってきた神々の物語が影響しているという論考は詳細で興味深い。また、現代に住む私たちもよく知る昔話の中にも記紀神話の世界は根付いているのだと第二部ではこれも各種の例をもって記している。
    現代の数多の小説やマンガ、アニメなどのフィクションでモチーフにされている日本神話についてこの入門書とも言える本で知ることで、より深くそれらの世界へと没頭する体験ができるのではないだろうか。

  • 日本の神話(イザナキ・イザナミ系のやつ)を、古事記・日本書紀などを中心に述べながら、同時になぜそれがそうであったかを解説してくれる本です。一見破天荒に見える神話の物語や登場人物とその行動について、理由をしっかりと説明してくれます。日本人の民族性や儀礼的習慣のルーツについても考察が得られます。
    しかし学術書(?)なので、頭使いますし読むの疲れます。おもしろいんだけど、バイタリティのある時しか読めない…。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1960年、大阪府生まれ。
1988年、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。
2006年、京都大学「博士(教育学)」(論文博士)。
現在、大阪府立大学大学院教授(2022年4月より、大阪公立大学大学院現代システム科学研究科/現代システム科学域教育福祉学類所属)。

日本ホリスティック教育/ケア学会前会長。日本ユネスコ協会連盟理事。日本シュタイナー学校協会専門会員。京田辺シュタイナー学校顧問。

主な著作(単著)
『ホリスティック教育論:日本の動向と思想の地平』日本評論社。『ブーバー対話論とホリスティック教育:他者・呼びかけ・応答』勁草書房。『世界のホリスティック教育:もうひとつの持続可能な未来へ』日本評論社。『世界が変わる学び:ホリスティック/シュタイナー/オルタナティブ』ミネルヴァ書房。
(共編著)
『いのちに根ざす日本のシュタイナー教育』、『ホリスティックな気づきと学び』、『ホリスティック教育入門』、『持続可能な教育と文化:深化する環太平洋のESD』、『ホリスティック・ケア:新たなつながりの中の看護・福祉・教育』―以上、せせらぎ出版、ほか。(共著)『変容する世界と日本のオルタナティブ教育』(永田佳之編)世織書房、『ケアと人間:心理・教育・宗教』(西平直編)ミネルヴァ書房、ほか多数。

「2022年 『教育のオルタナティブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉田敦彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×