- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791759699
作品紹介・あらすじ
"法"が構築する「主体」の政治は何を排除しているのか。フェミニズムの最新知見によってアーレントをはじめとする西洋政治思想史を批判的に検討、従軍"慰安婦"問題などアクチュアルな課題にも斬りこみ、「法の力」の根源的問い直しから新しい社会の構想へと至る画期的論考。
感想・レビュー・書評
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従軍慰安婦問題に関して法と正義を論じた本.
ときに著者の具体的な経験,記憶を素材にして粘り強く思考を巡らせる.自ら難しい問いを提起して突き進む.どこにいくのだろうと思いながらも,どうして最後そんなにうまく着地させることができるんですかと素直に驚いた.
本書はおそらく著者が30歳前後のときのお仕事.すごい.
出版からもう20年も前になる本だが頭痒くなるくらい難しかった.かろうじて読み通すことができたのは直前に著者と同業者である齋藤純一氏の本を読んだからかもしれない.とても勉強になった.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p49まで読んだ。
註釈などしっかり書かれていて考察を深めることができた。
本書『法の政治学』は、法という現象を批判的に考察することによって、法を巡りこれまで語られてきた中立性や公平性、あるいは客観性といった言説に対し疑義を唱えようとするものである。
人文科学・社会科学のなかでも法学・政治学の分野において、日本ではフェミニズム理論がほとんど存在せず、欧米でも遅れて興隆したことは、いかに両分野における領域性を維持する法・掟の力が強力であったか、そしていまなお強力であるかの証左だともいえる。
「個人的なことは政治的である」というスローガンは、個人的・私的な問題であるために、法学・政治学の分野では扱われないとされてきた問題にこそ、政治性が隠されているのだ、ということを鮮やかに暴いた。 -
ゼミの先生の本。
難しかったなぁ。これを機会に本を読もうって思ったな。 -
烏兎の庭 第一部 書評 9.27.02
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/honoseijiy.html