コンテンツの思想: マンガ・アニメ・ライトノベル

  • 青土社
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本棚登録 : 282
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791763252

作品紹介・あらすじ

コンテンツ産業の国を挙げての振興が喧しく言われる現在、マンガ・アニメ・ライトノベルetc.の現場はどうなっているのか。東浩紀がポスト『エヴァ』世代のクリエイターたちと熱く激しく切り結ぶ。まったく新しいサブカルチャー批評の胎動を伝える画期的対論集。

感想・レビュー・書評

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  • パラパラ読み。知識が足りないと読めないですね

  • 思想家の東浩紀が、伊藤剛、神山健治、桜坂洋、新海誠、新城カズマ、夏目房之介、西島大介といったクリエイターや批評家たちとおこなった対談や座談会を収録している本です。

    東と西島、新海の鼎談では、西島の『凹村戦争』(ハヤカワ文庫)が新海の『ほしのこえ』に対するアンサーだという発言がなされていたのが目を引きました。そのほか、東と神山との対談で、両者が押井守の創作スタンスの変化に対する不満を述べているところや、伊藤剛をめぐるセッションで会場の斎藤環が精神分析的な身振りによる議論の囲い込みをおこなっているところなども、おもしろく読みました。

    ついでに、東のえがいた高橋留美子目のキャラも掲載してほしかったところです。

  • サブカル評論の第一人者であり、哲学者でもある東浩紀氏が、日本のアニメ・マンガ・ライトノベルについて、識者と対談形式で論ずる本。対談相手として登場する識者は、伊藤剛(漫画評論家)、神山健司(アニメ監督)、桜坂洋(小説家)、新海誠(映像作家)、新城カズマ(小説家)、夏目房之介(漫画評論家)、西島大介(漫画家)の7人。クリエイターや評論家による本気の議論のため、内容は難解であり、アニメやマンガやラノベをただ「消費」しているだけの人(私も含め)では、深く理解することはきわめて難しいと思う。分析哲学におけるコミュニケーションの不可能性の分析と、「キャラ」を媒介した新しいコミュニケーションスタイルの可能性についての議論では、ただのサブカル論にとどまらず、日本特有の「キャラ」文化を、人類史における記号表現の進化と位置づけようとしており興味深い(私の理解が正しければ)。
    「攻殻機動隊SAC」「ほしのこえ」「All You Need Is Kill」といった作品に興味のある人は、クリエイター自身が作品に込めたメッセージを語っているので、必読である。

  • 編者・東浩紀が関係した4つの対談・鼎談の編著であるため、読み物としての論理性に欠ける部分がややある。しかし、1人の著者が論理的に構築した専門書ではなく、対談・鼎談の編著であるからこそ、その内容は示唆に富んでおり、非常に読み応えがある一冊だった。
    このような対談・鼎談の編著は、東×新城×桜坂の対談で東浩紀が述べているような、文脈を完全に共有せず、固有名詞を中心にコミュニケーションが展開されるために生じる発話の可能性を、まさに体現している編著であるように見受けられた。

  • 請求記号・361.5/Az  資料ID・310003811
    平成23年11月のテーマ展示「ウェブ」でも展示

  • 柄谷行人がいった、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の自分のアタマの中のものに責任を取るという結果は無責任のことであるという指摘は至極もっともだ。

  • 対談集なので非常に読みやすい。
    コンテンツを製作している側の意見が入っているので、ファンならミーハーにも楽しめる。

  • 眼が通った! なんとなく知ってそうなものが書いてあったけど、 ライトノベルは何だかんだ読んでないから、気になった。 ライトノベルって図書館で借りれるのです? 図書館なんとやらとか置いてあったし、借りれるやつから借りたらいいようにおもえる。 内容は覚えてない。

  • 漫画、アニメ、ライトノベル界隈の作家、評論家達との対談・鼎談を収めた対談集。
    ゲーム的リアリズムの誕生で触れられてる脱物語的なキャラクターについての言及も多く見られて参考になった。
    個人的には神山さんとの対談が面白かった。

  • 2010年11月17日読了。東浩紀主催による、3件の鼎談を収録。迎えるゲストはアニメ界からは「ほしのこえ」の新海誠、マンガ界からは夏目房之介、ライトノベル界からは桜坂洋となんとも豪華な、「プロの作り手」を名乗るのに相応しいメンバーと感じる(私の趣味もあるが)。本書に先立って刊行された「ゲーム的リアリズムの誕生」を下敷きにしてその考えを広げる鼎談と言えるようで、「ゲーム的・・・」は読んでおいた方が良さそう。物語の中で生を与えられる対象を「キャラクター」、物語を離れデータベース的に消費可能な個性の集合体たる対象を「キャラ」とする考え方はいくらでも批判できそうだが、素直に分かりやすい。ある物語の登場人物が「キャラクター」であるか「キャラ」であるかは作り手が決定するのではなく、読み手/消費する側が決定するのではないか、という議論も実に刺激的。あっという間に読めるが、読み応えがあった。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

「2023年 『ゲンロン15』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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