選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?

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制作 : 篠儀直子 
  • 青土社 (2008年6月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791764150

選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?の感想・レビュー・書評

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  • いろいろな選挙制度について最近の学説も踏まえて、わかりやすく説明してある作品。

    相対投票制度ではスポイラー(票割れ)により意図しない候補者を当選させる。ことができる。

    単記移譲制度(IRV)からボルダ式得点法、コンドルセ投票など。
    単記移譲制度(IRV)において最下位の候補者にライバルを入れることで蹴落とすことができるなど、問題もある。

  • うん。これもいい本。
    厚さに比例しないほど、すいすいいける。

    選挙ってあくまで一つの手法に過ぎない。
    公平公正で、絶対的に正しい手法のような認識は
    やはり改めるべきなんだと改めて実感させてくれる。

    思い出したのは、中学時代の学級委員の選挙。
    あの頃、自分や友達がいろいろ頭をひねって、誰かを
    はめたり、逆に防衛戦を仕掛けたり。
    それを洗練させた姿を見た。

    きっと、政党ではこんなことも研究しているんだろうね。

  • [掲載]2008年9月7日
    [評者]柄谷行人(評論家)
    ■民主主義を実現する投票制度とは

     民主主義は選挙による多数決の支配である、といわれる。しかし、民主主義は一つではないし、選挙システムも一つではない。さまざまな選挙システムは、それぞれ政治形態をも決定する。たとえば、アメリカのように勝者総取りシステムである相対多数投票の国では、二大政党制になりがちで、比例代表制の国では多数の政党が林立する傾向がある。また、近年の日本では、小選挙区と比例代表制の採用が、政治家のあり方をかなり変えてしまった。

     本書は、アメリカの選挙制度を検討しつつ、さらに、もっと原理的に投票システムを検討しようとするものである。アメリカの大統領選挙では、スポイラー(有力者の票を食う候補者)が問題となってきた。たとえば、2000年の大統領選挙で、環境問題を唱えた民主党のゴアが、緑の党のネーダーが立候補したため、共和党のブッシュに僅差(きんさ)で敗れた。しかし、このような例は偶発事ではない。これは根本的に、「相対多数投票制度」につきまとう問題なのだ。

     たとえば、3人以上の候補者がいるとき、その中で、意見が似ている候補者らに票が割れ、どちらも落選してしまうことがある。つまり、意見としては多数派なのに、少数派に負けてしまう。この種の「投票のパラドクス」は、18世紀にコンドルセによって発見され、20世紀後半アローによって、もっと一般的に定式化された。これを避けようとして、さまざまな工夫がなされてきた。比例代表制をはじめ、選好順位によって違った得点を与える各種の方法などが提案されてきた。しかし、どのような方法も「投票のパラドクス」を超えるものではなかった。

     本書にはその歴史的経緯がわかりやすく書かれている。著者は今後に、よりよき投票システムが得られるという希望を捨てていないようだ。だが、「投票のパラドクス」は民主主義の「致命的欠陥」だろうか。むしろそれは、民主主義の核心が投票システムなどに還元できるものではないということを、逆説的に示しているのではないか。
     GAMING THE VOTE、篠儀直子訳/William Poundstone 米国の科学ライター・コラムニスト。

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選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?の作品紹介

選挙で候補者が3人以上いると、ときに、多くの人が望んでいなかった、とんでもない候補が選ばれることがある。真に民主的な投票は論理的に不可能-ノーベル賞受賞者アローの「不可能性定理」を覆す道はないのか。ゲーム理論、社会的選択理論などの知見を総動員し、アメリカ史上の突飛な投票結果を実例に、様々な投票方法の驚くべき落とし穴を明快に解説したうえ、投票者を最も満足させる意外な方法にたどりつく、知と論理の極上エンタテインメント。

選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?はこんな本です

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