本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791764679
作品紹介・あらすじ
「快楽」だけで殺人に走れる人類は、破壊された本能の持ち主なのか。テロリズムからセックス殺人まで、残虐行為の背後にひそむ「人間」存在の深層を抉る。
感想・レビュー・書評
-
近代に入り、文明の発展が一段と進むと、犯罪集団は組織として洗練され、表の社会に強い影響力を持つようになる。一方の個人に目を向けると、かつて貴族や権力者によるものだった、衝動的犯罪や自己実現を目的とする犯罪を行う市民が増加する。貧困や不満だけではない、人を犯罪へと走らせる因子とは――?
下巻は1970年代までの近現代の犯罪史を俯瞰する。そして続く第2部では、犯罪行為の核心である、人を犯罪へと走らせる「暴力の心理」について、これまでの仮説を紹介しつつ、人が暴力に走る過程を考察していく。そのパターンは複数あるが、共通している、つまり歴史を通して変わらないのは、犯罪者とは己の欲望や感情を抑え律しきれない人、だということだ。正義感も暴走すれば犯罪や暴力活動の動機となるように。
逆に言えば、犯罪の抑止とは、欲望や感情を制御する術を身に着けた人を増やすことである。その方法については、本書が参考になるかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010/1/16図書館で借りる
全3件中 1 - 3件を表示