地方の論理 フクシマから考える日本の未来

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791766208

作品紹介・あらすじ

前福島県知事と気鋭の社会学者が、これからの「日本」について徹底討議する。あらゆる「中央の論理」から自立し、「地方」だからこそ可能な未来を展望し、道州制から環境問題、地域格差まで、3・11以後の社会のありかたを考えるいま必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • 「地方主権」を標榜する元福島県知事の佐藤栄佐久さんと、若手の社会学者である開沼さんの対談本、必要に駆られて急遽読んだ本。

    佐藤さんの在任中の政策を中心に、地方と中央の今後のあり方について述べられています。
    私自身道州制については不勉強で、学ぶべき示唆が多くありました。

    現在の福島が直面している諸課題が近い将来に日本全国の課題となっていく、という認識は全くその通りで、ネガティブな「フクシマ」だけが残っていかないためにも今動くべき、と私も思います。


    以下、いつか私の武器になる考え方。

    >人間はどうしても自分たちの理性を過信して「世の中こうしたら間違いなく上手くいく」と思ってしまう。
    > しかし、実際は頭の中で描いたとおりには物事は進まない。
    >それは時間的、空間的な秩序、前提条件がある中では頭の中で描いたことなど「机上の空論」に過ぎないからです。
    >理性を用いた急激な変化ではなく、伝統や自然と協調した緩やかな変化をしていくことが重要なのではないか。

    >自分たちで考え決めていく、自分たちでいいところを見つけていく。
    >その中で、多様性や変化の可能性にも開かれていくし、「経済的な豊かさ」一辺倒ではなく、「生活の豊かさ」を創造していける。

  • 地方が中央に一方的にあれこれ押しつけられるかたちでなく、もっと地方が独自性をもって動いていくべきというのは、賛成半分、不安半分だなと感じる。
    けども、今の体制にガタがきていることには疑いがないので、持続可能な仕組みづくりの一環として、多様性を共有できる社会を目指すのは大切なことだとおもう。
    変化を怖がらないこと、必要なときに声をあげていくこと、それが届く社会をつくっていくことがこれからの行政運営に必要なことなんだろう。

    なかなか読み応えのある本だったので、また何度かぱらぱらめくりたい。

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著者プロフィール

1939年福島県郡山市生まれ。福島県立安積高校、東京大学法学部卒業後、日本青年会議所での活動を経て、1983年に参議院議員選挙で初当選、87年、大蔵政務次官。88年、福島県知事選挙に出馬し、当選を果たす。東京一極集中に異議を唱え、原発問題、道州制などに関して政府の方針と真っ向から対立、 「闘う知事」として名を馳せ、県内で圧倒的支持を得た。第5期18年目の2006年9月、県発注のダム工事をめぐる検察の捜査で嫌疑を受け、知事辞職、その 後逮捕される。現在、上告審で審理中。著書に『福島原発の真実 』『知事抹殺 つくられた福島県汚職事件』など。

「2012年 『原発と建築家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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