私たちが、すすんで監視し、監視される、この世界について リキッド・サーベイランスをめぐる7章

  • 青土社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791767038

感想・レビュー・書評

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  • 原著を読了。
    一文一文が長く、確度の高い理解はできていないが、あらすじはわかった。再度読むべき。

  • 第16回アワヒニビブリオバトル「id(ナンバー)」で発表された本です。
    2016.08.02

  • 2001年9月11日以降、米軍の最先端技術によって収集された情報の両は1600%増加している。
    斧を奮う人間が良心をなくsてしまったり、道徳的なひけめを感じなくなったりしているわけではなく、彼らはただ自分達が操作する機械装置の集めた情報の両に対処できない。これらの機械装置は今や、彼らの助けがあろうとなかろうと動作できる。

  • 明治薬科大学図書館 ベストリーダー2019 49位
    https://bit.ly/2UaeXCq

  • 社会

  • 対話形式で読みやすい本ではあるけど、僕には難しい一冊だった。それでも「監視」というテーマについて考えてみたくなる一冊でもある。

  • 訳がひどい。また、内容としてもここまで冗長に述べる必要があるように思われない(あとがきを先に読んだ方が良い)。しかし、この本書で扱っている話題は現在の社会において論じないことはできない種類のものであり、これから情報化や消費主義をどう制御していくかという点において重要だ。非常に示唆的である。

    パノプティコンという監視体制は、時代を経て、流動的な社会に即した形態に変化している。facebook、twitterなどに代表されるSNSや、軍用無である人機ドローン、これらの装置が従来からの監視概念の変化を如実に表している。そして、これらは社会的な振り分けやある種の人々の排除に貢献している。また、監視の方法は個々人が進んで監視に協力するという方式(=DIY監視)に移り変わっている。監視の方法は消費主義と接続され、AmazonやGoogleは、多量の情報分析に基づき個人に即した欲望を刺激するように情報提供を行う。これはまた社会的な分断、排除、外部との隔絶につながりうる。

    情報化の進展によって、遠隔性の発展や作業の自動化が進んだ。監視役は監視カメラや生体認証装置、ドローンに取って代わっている。個人のアイデンティティは、「虹彩」「指紋」「静脈」といった個人を識別するための一部分によって担われるようになりつつある。これらによって、個人を代表するような「顔」「表情」と対面せずに済まされる社会が構築されていく。こうしたことは道徳的な後ろめたさを軽減する仕組みであり、非人間的な残虐行為を起こすことの垣根を低くしている(=道徳的中立化)。

    我々の生活は、セキュリティ監視によって、安全になったのか。いいや、セキュリティに固執し、強迫的に追求することがかえってインセキュリティな状態を生み出している。

    現在の「監視」にまつわる諸状態から、負の側面ばかりが目につく。しかし、「目を行き届かせる」ということはすなわち「配慮」につながる行為でもある。「配慮」は、権力による監視促進の都合の良い口実になることもあるが、倫理性をもたらす分岐となる可能性もある。

    システム全体の問題が、全て個人に還元され、過剰な圧をかける仕組みができつつある。管理する者の責任が管理される側に回されるような仕組みであり、社会的な問題にもはや個人が自ら対処せねばならない状況である。さて、我々はまずこの社会において、どのように、そしてどのような希望を抱くかを考えなければならない。

  • 大学1年生の授業で読んだ1冊。これからの数年、この本はダイナミックに変化していく社会を理解するのに大事な1冊になりそう。

  • 逗子図書館にあり

  • パノプティコン、ネットワーク、ウエルベック

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著者プロフィール

1925年、ポーランドのポズナニのユダヤ人家庭に生まれる。ナチス侵攻によりソヴィエトに逃れ、第二次世界大戦後ポーランドに帰国。学界に身を投じワルシャワ大学教授となるが、68年に反体制的知識人として同大学を追われる。イスラエルのテルアヴィヴ大学教授などを経て、現在リーズ大学名誉教授、ワルシャワ大学名誉教授。現代の社会学界を代表する理論家である。邦訳書に『個人化社会』(青弓社)、『コラテラル・ダメージ――グローバル時代の巻き添え被害』(青土社)、『コミュニティ――安全と自由の戦場』(筑摩書房)、『リキッド・ライフ――現代における生の諸相』『リキッド・モダニティ――液状化する社会』(ともに大月書店)、『廃棄された生――モダニティとその追放者』(昭和堂)など多数。

「2012年 『液状不安』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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