生き物が見る私たち

  • 青土社
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本棚登録 : 51
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791767960

作品紹介・あらすじ

生き物の不思議を初歩の初歩から尋ねてみたら…次つぎ飛び出す意外な事実や不思議な現象。読み出したら止まらない面白科学問答!

感想・レビュー・書評

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  • 『科学技術を進めるにしても、どんな暮らしがしたいのか、考えてからにするのがいいと思うんです。』

    和田誠さんが、生命誌研究者の中村さんと生物学の話をする対談集。
    中村さんの話はとてもわかりやすく、和田さんも尋ね上手、返し上手なので読みやすくて楽しかった。
    中村さんの倫理観も好き。
    和田さんのイラストがまたいい。
    ウイルスについての話もあり、タイムリー(というのも何だけど…)な時期に読みました…。

  • イチヂクは生命力強い
    ガジュマルも仲間
    熱帯雨林の火事の後で最初に生えてくるキープラント
    ゲノム刷り込み、哺乳類は単為生殖がない理由
    女性の遺伝子(性染色体)はXXなのでスペアがある
    男性はXY、Xひとつに命運を託す、ダメだとALSや色弱に


  • 和田がとあるイベントで中村の話を聞いて、対談してみたいとなった企画らしい。
    基本は中村の話を和田が生徒のように聞いていく形だが、対談を要求するだけあってしっかりと内容を聞いて把握、吸収していきながら、なかなかウィットにとんだやり取りが自然に展開していくのが楽しい。 
    もちろん、聞き手の素養と理解力があるからこそ成り立つ会話。
    話し手も聞き手も気持ちよさそうに進むのは読んでいる方も心地良い。
    本来勉強とはこうやって進めるべきなのだろうが、その土台作りが今の教育ではできていないんだろうなと思う。
    まず入り口が開かないと…。

  • 対談形式の本ってのは、性に合わなくてなかなか読まないのだが、テーマが面白そうなので読んでみた。日本には8種類のオサムシがいて、その分布を地質学者が見て、日本列島の成り立ちと重なり合うという「発見」があって、それ以降、学際を超えた研究が進むようになったという話は興味深かった。うろうろする遺伝子(ウィルスの話)やがんを考えるという章も今の自分の病気と関連があり、興味を持って読んだ。タイトルから、生き物が人間をどう見ているのか、という話なのかと思ったのだけど、そういう話はなかったような気がするのだが。どうしてこのタイトルなんだろう。内容は「生き物『を』見る私たち」だと思ったが。あるいは「を」ではなく「から」か。

  • ◆一生をイチジクの中だけで過ごすハチ♂って可哀そう?◆
    イチジクコバチのオスはイチジクの中で生まれてその中で死ぬ。でも、日本から一度も出ない人だっているんだから幸せかどうかはその人次第。(ちなみにイチジクコバチ♀は外を飛び回る)科学が苦手という和田誠さんはわからないことは「わからない」と率直に言い、中村桂子さんが紹介する生き物たちの物語をしっかりと受けとめる。ウィルスはウロウロする遺伝子、ムシが教えてくれる大陸移動…“科学は特別なものではない”と感じることが出来る面白問答。

  • 生物特に遺伝子屋のなんなやののことについての対談本。四方山話。

    目次
    まえがき(和田誠)
    ①予告篇
    ②オサムシは語る
    ③イチジクコバチの世界
    ④恐竜物語
    ⑤クローン談義
    ⑥タロウちゃんを考える
    ⑦葉を叩く蝶々
    ⑧ウロウロする遺伝子
    ⑨がんを考える
    ⑩深い海には
    ⑪グルメ化した猿
    ⑫ヒトになるために
    番外篇①新しい発見
    番外篇②食べたり食べられたり
    あとがき(中村桂子)

  • 科学者になるのは難しいけど、科学は好きですよ。。。

    青土社のPR
    「科学を好きになることを諦めた大人たちへ
    生命誌研究者の中村桂子さんに、イラストレーターの和田誠さんが、生き物の謎や科学の実態を初歩の初歩から尋ねてみたら・・・・・・
    つぎつぎ飛び出す意外な事実や不思議な現象。
    読み出したら止まらない面白科学問答! 」

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著者プロフィール

1936年東京生まれ。JT生命誌研究館名誉館長。理学博士。東京大学大学院生物化学科修了。ゲノムを基本に生きものの歴史と関係を読み解く「生命誌」を提唱。JT生命誌研究館を開設し、2002年より同館館長。『生命誌の扉をひらく』『自己創出する生命』(毎日出版文化賞)、『ゲノムが語る生命』ほか著書多数。

「2022年 『科学はこのままでいいのかな』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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