思考の技法 -直観ポンプと77の思考術-

  • 青土社
3.72
  • (5)
  • (7)
  • (2)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 301
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (710ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791768431

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「思考の技法」Daniel C. Dennett

    進化の過程におけるちょっとした不完全性(コピーミス)こそ生物の世界の全ての素晴らしいデザインと複雑性の源泉。

    上手な批判的コメントの作り方
    1.標的から「ありがとう、そういう風に述べようとしていればよかったですね」と言わせるほど明確に、鮮やかに、公平に表現し直す
    2.自分が同意できる事(特に一般的でないもの)をリストアップする
    3.標的から学んだ事があれば言及する

    クズに文句を言って時間を無駄にしない事。優れたものだけを追いかけてそれだけを取り上げる事。

    「間違いなく」という言葉は論証中の弱点であり、警告ラベル。何故なら本当に間違いなければそう言う必要がないから。

    「深っぽい話」とは、重要であると同時に真理であり深遠であるかのように見えるが、実際は曖昧である事によってその効果を出しているに過ぎない主張のこと。

    チューリング以前は、「コンピュータ」とは表計算者という職業の呼称であった。

    今まで存在してきた全ての有機体の99%は子孫を残すことなく死滅した。

    クオリアとは
    1.いわく言い難いもの
    2.内在的(他との関係を含まない)なもの
    3.私秘的なもの
    4.誰かにとっての直接把握可能な事物の見え方

    自己とは、重心の同類であるようなものであり、抽象性を備えているにもかかわらず物理的世界にしっかりと繋がれている抽象物である。

    我々は職場や家庭や遊び先で、いくつかのはっきりと異なった人生を送り、それぞれの文脈ごとに習慣と記憶を獲得し、この習慣と記憶は文脈を跨いで行き来する事があまりない。

    探究の過程で引き出された定理が信じるに足るものかどうかの判断を留保する人類学が洗練された素朴人類学。これこそ分析形而上学者が向かうべき企図。差し当たり現地の人が言っている事が正しいと仮定して、その上で事柄がどういう顛末を辿るのかを見定めようとする。

    哲学の役割の大部分は外見的イメージと科学的イメージの相互のやりとりをうまくいかせる事にある。

    理論構築や理論批判に乗り出す前に、自分たちが直面しているものを民族的な憶測通りに分析する事が優れたアイデアとなる。

    洗練された素朴人類学の特徴は、それが反直観的発見を受け入れるという事。

    大胆な一撃というものは、最初はほぼ例外なく冷酷な懐疑か嘲笑によって迎えられるが、時流に乗って満足しない事。

    歴史上の人間を本当に理解したいのならば、その時代の科学や政治環境についても学ぶ事。

    読み物については、一文ごと、ひと段落毎に「自分はこれを信じるか?そうでないとしたらなにか?」と自問自答しながら読む事。

    価値のない事に上達したとしてもやはり価値はない。

  • 哲学者が直感的な結論へ導くために良く使用する思考実験
    「直感ポンプ」を紹介し、それらを駆使しながら「意味」
    「進化」「自由意志」などについて著者の考え方を説く、
    といった内容。決して平易ではないが(途中レジスタの辺り
    は挫折しそうになった)、読み物としても大変面白く、最後
    まで楽しむことが出来た。特に、直感ポンプにリバース・
    エンジニアリングを施し、すべての可動ダイアルを回して
    みて、それでもその直感ポンプが同じように働くか試して
    みるという考え方には非常に感銘を受けた。巻頭の直感
    ポンプをいくつか並べ紹介している部分だけでも一読の価値
    があるとは思うが、ぜひ読破して様々なポンプが動く様を
    感じて欲しい次第である。

  • 【由来】
    ・ステラの三省堂で

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 自由意志の部分を拾い読み。
    著者の意図(?)と反対の方向に納得できた。
    ライフゲームの例が秀逸。20150518

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

Daniel C. Dennett
1942年生まれ。1965年、オックスフォード大学より哲学博士号取得。現在、タフツ大学名誉特任教授・同大学認知科学研究センター所長。現代英語圏を代表する哲学者の一人。著書も多く、近著としてIntuition Pumps and Other Tools for Thinking, 2013(『思考の技法――直観ポンプと77の思考術』)、From Bacteria to Bach and Back: The Evolution of Minds, 2017(『心の進化を解明する――バクテリアからバッハへ』)などがある。

「2020年 『自由の余地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ダニエル・C・デネットの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×