- Amazon.co.jp ・本 (700ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791768479
感想・レビュー・書評
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僕が人生でいつかは読まなければならない大作の一つとして考えていた本書、スティーブン・ピンカー氏の大作『暴力の人類史』を読破した。
本書で論じられる人間の暴力についての数々の考察。
本当に興味深いものばかりだった。
これを読むと、人類は意識や知能の面でも過去の人類よりも進化している(反暴力という面において)と言えるだろう。
本書を読む前にリチャード・ランガム氏の『善と悪とのパラドクス』を読んだが、その中で大きなテーマであった
人類の自己家畜化
という面も暴力の減少には間違いなく寄与しているということも論じられていた。
一つの本を読み、さらに他の本を読み、それらがこのように組み合わさっていくことによって、僕の頭の中でいろいろと化学変化が実現していくこと経験するのは非常に心地よい。
これが本当に『勉強する』ということなのだろう。
やはり、読書は素晴らしいものである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は、読書家でも知られらる、ビルゲイツが大絶賛した本です。
著書の深い考察と論理的思考により「暴力は確実に減っている❕」という事実を証明してくれています。
「私達はかつてないほど平和な時代をいきている!」というのは、よく考えるとめちゃくちゃ幸せなことだと思いました。
めちゃくちゃいい本です。
ぜひぜひ読んでみてください -
たいていのピンカー作品同様に、一息に読めてしまう秀作。
にしても、邦題タイトルがひどすぎる。
「何を読んでいるの?」と聞かれた際、人に見せると100%誤解を受けた。「残虐そうだね」と。
ビートルズがやってくるヤァヤァヤァみたいな、わけのわからない邦題だ。人間の残虐性みたいなのに訴えかけて、パッと見の興味は惹くのだろうけど・・・・。
The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined
本性にあるより良い天使たち:なぜ暴力は減少したのか
みたいな素直な邦題でいいじゃん。。。 -
下巻はいかに平和な時代になったかというその背景を分析したもの。
心理学の話が多いが、ゲーム理論的に効用の高い平和・平和の戦略よりも暴力が支配戦略だったのが、歴史的な知識の積み上がりやコミュニケーション技術の発達で繰り返しゲームになってきた。とはいえ第一次第二次世界大戦はベキジョウ的な戦争被害の曲線の橋にいるものとして突発的に存在しており、このような事象がなくなることを絶対視もできない。 -
上巻は史実と統計で暴力の減少傾向を詳らかにしたが、下巻は人間の内省に焦点を当てて、理性と本能の変遷を分析している。例えば権利革命での女性含む権利的マイノリティの沽券獲得は興味深くあるものの、上巻の大胆な視点や論法のダイナミズム、優れた発見に比べると見劣り感は否めない。内容も冗長的で600ページも必要だったのかな?と思ってしまった。「内なる悪魔」「善なる天使」も人間の本質を捉えようとし優れた考察ではあるが、あまりに多面的な論点と数多の実証実験を論拠とした展開は「もう分かったから」と食傷気味になってしまう。
章ごとの質の粒度にバラツキはあるものの「暴力の人類史」全体では非常に面白い書籍ではあった。 -
配置場所:1F電動書架A
請求記号:209||P 66||2
資料ID:W0180714 -
開発目標16:平和と公正をすべての人に
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99754193 -
下巻の方は、人類がこのように時代を経るに従って暴力を遠ざけ平和になって来たかというメカニズムについて考察している。
しかし長かった! -
下巻では、暴力の誘発要因となる五つの動機(内なる悪魔)と、暴力の抑制要因となる四つの機能(善なる天使)などが著されている。読み応えたっぷりの論考だ。