言葉を離れる

著者 :
  • 青土社
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本棚登録 : 158
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791768868

感想・レビュー・書評

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  • 本書は雑誌『ユリイカ』で2011年から2014年の間に〈夢遊する読書〉と題して連載された原稿をもとに一冊にまとめられたもの。だから何度も“読書”について言及してたのか、と納得。
    1970年代に中学生、高校生だった私たち世代にとって「横尾忠則」は既に世界で活躍するカッコいいおとなの代表のような人だった。その「横尾忠則」の幼少期から現在まで、彼がどんな人生を歩んできたのか、本書では当人の記憶と視点から、信じ難いような逸話の数々が事細かに語られる。それにしても交友関係の華々しさよ!

  • 横尾忠則の人生を振り返ったエッセー.そこに言語や本が顔を覗かせては去っていくような関係を絵を描くことの意味とともに述べていてとても興味深い.横尾氏は文学的なことが得意ではないとのことだがとんでもない,このエッセーももちろんとても面白かった.

  •  
    ── 横尾 忠則《言葉を離れる 20150925 青土社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4791768868
     
    (20180919)
     

  • 横尾さんが言葉を変えながら繰り返し述べていた、作品の意図などない・解釈はいらない・講釈不要などの主張は、純粋なアンファンテリズムを “そういう認識なく” 持ち合わせていないとできない、一周回って大幅に高度な感じ方だから、凡人の自分には、もうすでにはるか遠い感受性となっている。
    瞬発力と内からのエネルギーと、ただ作りたい、描きたいという気持ちだけと、さも当然のように言うこの在り方こそ、稀有な芸術家たる所以な気がする。
    作品の好みは別として、ものすごい人だ。

  • ――言葉が頭の中で戯れている間は無心になれません。言葉の支配から完全に離脱して初めて絵が描けるのです。言葉が頭の中から消え、肉体が発する言葉のみに耳を傾ければいいと思うのです。言葉が頭を支配している間は絵が描けても、魂は描けないと思います。(本文より)


    言葉を離れる。
    言葉が、ではなくて、言葉を、離れていくということ。

    絵を描く人間の端くれ(趣味だけど)として共感。
    忘れたくないこと。

  • アーティスト、横尾忠則氏による「なぜ自分は本を読まないのか」を主題にしたエッセイ集。なのだが、途中からその主題は薄れ「本を読まなくてもこういうこと(著者のような芸術活動)はできる」というのを、氏の来歴とあわせて読んでいる気になってくる。

    だがもしかしたら、読書家ほどこの本を読むべきなのかもしれない。すなわち、本を読まない人が文字に頼らずに如何様に表現活動を行うか、という、読書家からしたら遠い世界の出来事を知ることができるからだ。やや同じ話題の繰り返しは気にはなったが、ヒトの新たな側面を垣間見れた気がする。

  • 表紙の絵の男の人の二の腕の白くてすべすべした感じが好きで買ったけど、これは著者の作品じゃなかったのか~。無知な私。

    でも、とっても面白かった。

  • 本書によれば、著者は30過ぎまでほとんど読書をしたことがないとの事。そのような人が、しかも本業はデザイナー、画家であるにもかかわらず、多数の著作を出してるのがすごい。そして、日本が世界に誇る芸術家の考えていることが、リアルタイムではないものの生きているうちに読めることもすごいと思った。
    ちなみに表紙の絵は著者の作品ではなく、著者の好きなマグリットの絵。

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著者プロフィール

美術家、グラフィックデザイナー

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

横尾忠則の作品

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