死んだ者が墓から甦る。これがハイチの有名なゾンビだ。ゾンビにするには薬が必要だが、ハーヴァード大学の人類学者・民族植物学者である著者は、その正体をついに解明する。だが、薬だけでは人をゾンビにできない。ヴードゥー教の秘術が関わっているからだ。著者はその世界に踏み込んでいく。ゾンビにすることは正統な社会的制裁であり、その背景には蛇と虹を創造主とするヴードゥーの神話と世界観があることが、やがて明らかにされる。
森まと momatoさんの感想
2012年11月22日
"The Serpent and The Rainbow",Wade Davis メモ: ゾンビ化を恐れて死者の心臓に杭、又は首を切断。 →『吸血鬼伝承』 その人を死者だと判別する確かな方法は腐敗のみ、体温、脈拍その他はあてにならない。(P20) 古代人は日中の金星を肉眼で追うことができた。 我々はそれを失って、今日のテクノロジーがある。 ゾンビ化を環境がつくりだす →ヴィクトリア朝の気絶について
1953年カナダのブリティッシュ・コロンビア州生まれ。処女作The Serpent and the Rainbow (1985)(『蛇と虹』草思社)で脚光を浴びる。2012年、本書Into the Silence (2011)で、優れたノンフィクションに与えられるサミュエル・ジョンソン賞を受賞。ナショナルジオグラフィック協会専属探検家を経て、現在はブリティッシュ・コロンビア大学人類学部教授。 「2015年 『沈黙の山嶺(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」