イギリスのある女中の生涯

  • 草思社
3.57
  • (2)
  • (6)
  • (5)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 45
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794205513

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 第一次世界大戦前後にメイドとして屋敷で働いた女性の思い出を聞き取り文章にした本です。
    厳格な母と大らかな父の下で生きるために食料を探したりする貧しい少女時代、先に女中奉公へ出ていた姉の紹介で働きだした女中時代、そこでの悲しい恋や女中仲間の不祥事や仕えた上流階級の人々とのきっちりと線引きされた世界が語られています。
    自分をしっかりと持った女性が前向きに生きる姿がありました。

  • なんか他のイギリス女中の話の方が面白かった。ただ盛りだくさんだったので読み応えあり

  • 「おかえりなさいませ ご主人様♪」
    メイド喫茶なるものが最近メジャーなものとなりつつありますが、本当の女中さんはめっちゃ厳しく辛い仕事です。

    安い安い給料で働く。
    こんな仕事イヤだと辞めてしまえば、もっと大変な明日がまっている。
    働くって何だろう。

    と、社会に出る前、大学生だった私が感想を残しています。

  • イギリスに実在したお屋敷女中の回想録。
    お金持ちのイギリス貴族のお話は、物語のストーリーに取り上げられるが、使用人の人生について書かれた本は少ない。
    彼女は1899年に貧しい使用人の子どもとして生まれ、14歳でお屋敷女中の奉公に上がった。
    ひどい部屋に寝起きし、2年間一回も実家に帰らせてもらえなかった。給料は週1シリング、食べものもひどく、誰も健康を気遣ってくれる人はいない。希望がなく悲壮感漂う。
    ただ時代は現代へと向かい、女中を沢山おく古い制度が無くなって貧しい女性の仕事に別の選択肢が出来た事がほっとさせる。
    華やかな英国貴族のお屋敷、パーティ、ドレス、贅沢の背景にはつらい下働きをしている女中が大勢いたのである。
    貧しい女性の生い立ちの実話「ラークライズ」と共通した事はあるが、違うのはこの主人公がラークライズのように小作人であっても村に育ったのと、お屋敷内の使用人住居で育った事である。従者として住むみこむという事は厳しい世界だったようだ。

  • 牛飼いの娘として生まれ、14歳で女中奉公にだされた女性の回想録。
    貧しく質素な暮らし、子どもの頃から労働に借り出されるという厳しい環境の中でも、それでも生き生きと暮らしてきた様子が書かれています。
    とても、面白かった。

全8件中 1 - 8件を表示

徳岡孝夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
恩田 陸
村上 春樹
遠藤 周作
村上 春樹
三島由紀夫
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×