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- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794205704
作品紹介・あらすじ
フロイトの研究対象として有名な精神分裂病患者ダニエル・シュレーバー。四十二歳にして発狂した彼の狂気の根源は、実は幼児期の厳格な父の教育にあった。愛ゆえに子どもを独裁し迫害してしまう教育熱心な親が、子どもの心理にどのような影響を及ぼしたのか。シュレーバーの幼時体験と発狂後の回想録を綿密に比較しながら再解釈を加え、精神分裂病をもたらした教育の悲劇と恐怖を鋭く分析する。
感想・レビュー・書評
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巻末の翻訳者解説にある,
「本当の恐ろしいのは,子に対する親のあからさまな迫害,虐待,冷遇などではなくて,愛情,思いやり,献身といった名の迫害なのである。あからさまな迫害の場合は,子どもとしても,親の迫害そのものはつらいものの,少なくともそれに対する不満と敵意は自由に表現でき,人格の統一性は保持できる。しかし,愛という名の迫害に遭った子どもは,迫害される苦しみは同じように味わわされていながら,その上に,その迫害を迫害と感じることを禁じられ,それに対する不満と敵意を抑圧することを強いられ,さらに,それを世奥圧したという事実をも抑圧することを強いられ,本当は感じているはずもない感謝と愛情を,しかも心から親にささげることを強いられる」という文章に集約される。
本書に書かれた,シュレーバー氏は,まさにそのような愛情による迫害を受けた被害者である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
訳者が岸田秀先生…ってことで、買ったきり10年近く(以上?)本棚に寝かせていた本です。
今借りてるのが終わったら読もう…
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