- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794207401
作品紹介・あらすじ
本書は、主要な収容所をすべて取りあげて、その誕生からドイツ敗戦による解放に至るまでの過程を描き、1933年から12年間つづいたナチ収容所体制の歴史をたどった初めての試みである。収容所の囚人の労働力が不可欠のものとしてナチ体制を支えていたという側面を明らかにした点は、ことに貴重であるといえよう。ナチはユダヤ人を殺そうとしただけではなかった。強制収容所体制の知られざる実態を描く。
感想・レビュー・書評
-
ザクセンハウゼン、ブーヘンヴァルト、ダッハウの収容所よりもマウトハゼンの収容所での死亡率が特に高かった。
またラーヴェンスブリュック収容所は女性専用の収容所だったが、ここでもジーメンスの工場や航空機メーカーのハインケルも女囚を労働力として使っていた。女性ならではの手先の器用さを利用した営利目的の親衛隊の縫製工場も、この収容所にあった。
1936年にヒムラーは「アラッハ・ミュンヘン磁器製造会社」という企業を買収するとともに、「ドイツ文化建物保守保全会社」を設立して、本格的にビジネスの世界に参入した 。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
制度としての強制収容所はもちろんのこと、主要人物紹介、大量虐殺の様子、収容所内での抵抗運動、メッサーシュミットやジーメンスなどの大企業による囚人を活用した強制労働の実態を紹介する。読みやすく好著。
-
もくじ:一 ナチ強制収容所前史、二 三大強制収容所の時代、三 大戦前夜の強制収容所、四 大戦下の強制収容所、五 ポーランドの原野に点在する"殺人工場"、六 大戦末期の強制収容所、七 親衛隊企業群と強制収容所、八 ナチ強制収容所の終焉