平気でうそをつく人たち: 虚偽と邪悪の心理学

  • 草思社
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感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794207418

作品紹介・あらすじ

自己正当化のため巧妙かつ隠微なうそをつく邪悪な人たちの心理とは?「人間の悪」の本質に迫るスリリングな書。

感想・レビュー・書評

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  • 同系統の本として、中井久夫氏の本があげられるとおもうが、私には中井氏の本の方が深みと優しが感じられ好感が持てた。

    そもそも、作者は患者の邪悪性をしきりに強調するが、それこそ病から来るものなのだから仕方なかろう。確かに治療しても無力感にさらされることもあるかもしれないが、日本人医師と外人医師の考え方の根本的違いみたいなものを感じた。

    最後の組織における邪悪性、戦争時の蛮行の考察は優れていると感じた。

  • ちょっとこれは・・読まずにはいられなかった

  •  日常に潜む邪悪を暴(あば)いた傑作。長らく品切れであったが、やっと増刷された。前半ではカウンセリングで知り得た邪悪な人々を描き、後半ではベトナム戦争のソンミ村虐殺事件を通して「邪悪に加担するメカニズム」を検証している。

     <a href="http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20100126/p2" target="_blank">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20100126/p2</a>

  • 10年くらい前に読んでいた本書を最近再読しました。
    ペック博士の愛に満ちた筆致に涙ぐむところさえあります。
    この本でいう「邪悪な人間」が、どのような分類に属するのか、他の書籍との比較検討のために拾い上げてみます。版によってページにずれがあったら済みません。
    177~178ページによれば、精神病理学的障害として分類を試みた場合には「人格障害」というカテゴリーの中のサブカテゴリーにある「自己愛的(ナルシシズム的)人格障害」のひとつの変種であると思われるとのことです。
    99~100ページでは、「邪悪な人間」になる原因は良心の欠如ではないと思われ、精神病質者または社会病質者と呼ばれる人たち(要はサイコパスのこと)とは全く異なるという見解を明示しています。
    「自己愛的人格障害」の中で「邪悪性」を「変種のひとつ」として特に分類して考えようとしているわけですが、別の書籍でサンディ・ホチキス著「結局、自分のことしか考えられない人たち」に書かれている「自己愛人間」も充分に危険な人間であり有効な対策が「逃げるしかない」くらいの人たち(かなり大胆な要約ですが)ですので、「邪悪な人間」と言う用語で区別する実際上の必要性がどの程度あるのかは、良く判りません。
    また、ここで言う「邪悪な人間」や「自己愛人間」というのは、また別の書籍になりますが、キャロル・ダヴリス&エリオット・アロンソン著「なぜあの人はあやまちを認めないのか」で詳述されている、万人に共通の心理である「認知的不協和」による「自己正当化」の問題が強く現れている人間でもあるように思えます。同書には、自分は立派で価値のある人間だと思っている自尊心の高い者ほど激烈な加害者になるという主旨の記述もありますので、これなどはまさしく「邪悪な人間」や「自己愛人間」の危険性をもたらす原因の中核を成す部分であるように思えます。
    本書「平気でうそをつく人たち」は、原著が1983年と既に四半世紀以上も前に書かれた本であり、愛に満ちた洞察力によって不朽の名著としての価値を有しているものであると思います。

  • 仕事でうそばっかりつく奴がいる。

    それで読んでみた。
    うそは嫌い、というか平気でうそをつく奴が嫌い。

    この本は★5でしょう。

  • 「普通の人たち」の邪悪について。個の邪悪から始まり、集団の邪悪まで解説している。

  • 6年前に思うことあって買ったこの本を久々に読み直したら・・・
    つ、つまんねーーーーー。

    でも、言わんとすることはわかる。
    そうなのです。
    こういう邪悪な人たちというのは存在する。
    でもその指摘だけで対処方法は書いてないのね。
    本人たちに自覚がないだけに、治療も対処もできないのかも。

    唯一できることは、付き合わない、ということだけ。
    あ、でも肉親であった場合には・・・どうにもできないんだね。

  • 地獄への道は善意で舗装されてたりする。

  • 1997.5.26 29刷 2,200
    世の中には“邪悪な人間”がいる――自己正当化のため巧妙かつ隠微なうそをつく邪悪な人たちの心理とは?「人間の悪」の本質に迫るスリリングな書。全米ベストセラー!

  • 邪悪な人とはどんな人なのでしょう?

    誰から見ても悪い人というのではなく、「邪悪な人」が世の中にはいるものです。
    精神神経科の医師である著者の臨床経験を通じて感じた「邪悪な人々」について、診療室での会話を通じてあぶりだしていきます。
    著者の考える邪悪な人々とは、どんな町にでも住んでいるごく普通の人だが、体面や世間体に人並み以上に気を使い、自分に欠点がないと思い込み、他人への責任転換が非常に上手です。

    修飾したうえでの会話だと思いますが、よくぞここまで、自身の患者との対話を書いたものだと関心します。


    ⇔ ブッククロッシング

    <img src="http://www.bookcrossing.com/images/recycle_bally.gif">

    <a href="http://www.bookcrossing.com/journal/6759934/J_11553645">BCID: 701-6759934</a>

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