嫌われものほど美しい: ゴキブリから寄生虫まで

  • 草思社
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本棚登録 : 97
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794208194

作品紹介・あらすじ

イルカは意地悪でゴキブリはやさしい!とかく自然は見かけじゃわからない。愚かで醜いと思われている生きものたちにも意外に愛らしい一面があり、人気者のかわいい動物にも知られざるしたたかな一面がある。ゴキブリなんか見るのもいやだった女性サイエンスライターが、知ってみればいとおしくさえ感じられる生きものの世界を楽しく案内する生物エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 嫌われものほど美しい―ゴキブリから寄生虫まで。ナタリー アンジェ先生の著書。意地悪で性悪なイルカ。見た目は美しいイルカが意地悪で性悪。人間も見た目は美しいのに中身が意地悪で性悪な人はいる。ゴキブリはやさしい。ゴキブリの見た目が美しいと思う人は少数派。でもゴキブリはやさしい。人間だって同じ。見た目は美しいと言われることが少なくても中身がやさしい人は魅力的。見かけで判断するのはやめないと。

  • 松阪BF

  • イルカの求愛行動はズル賢く、ゴキブリは人間が嫌うほど性悪ではなかった。これは人気者や忌み嫌われる動物の生態を、科学者の逸話などを織り交ぜ、知ってみると愛おしく感じる生き物の世界を楽しく案内した生物エッセイです。見かけだけじゃわからない、動物の意外な魅力が再発見できる本です。

  • 女性のサイエンスライターが書いている本でとても読みやすく、自然界の意外な一面について分かりやすく書かれている。ゴキブリや寄生虫の話や細胞の話もあり、最後はエイズについても書かれている。この本を読むことで、今まで普通だと思っていた知識が偏見だらけだったか気付いた。

  • 断捨離本、2013春。

  • 1 愛
    2 踊る
    3 這う
    4 適応
    5 癒し
    6 創造
    7 死

  • 本書は、世間一般で嫌われている生物にスポットを当てている。本書を読むと嫌われもの達が意外にも、人間社会の発展に不可欠であったり、強く美しい生き方をしていることに気づかされる。人間は情報に感情のシグナルをつけて、記憶して効率的に物事を覚える。そのため、嫌いなものは遠ざけ、その情報の本来の性質を見失うといった難点がある。感情だけで物事を判断せず視野を広げることで、新たな発見がもたらされるだろう。

     例えば、本書のサブタイトルにある、人様の家を神出鬼没かつ縦横無尽に闊歩するあの生物について、である。この本を読めば、彼らの厚みのある歴史、粘り強さ、環境適応能力、多様性に対して尊敬の念を抱く気持ちが芽生えるかもしれない。ある昆虫学者によると、ゴキブリが出現したのは約4億年前のシルル紀だそうである。甲中の大部分の出現時期が1億5000年前、蝶の出現が6000万年前ということを考えると、この種の歴史の深さには驚かされるばかりである。歴史ばかりでなく多様性もある。ゴキブリは約4000種確認されており、その中で人間に害をなすゴキブリは、実はわずか2種(ワモンゴキブリ、チャバネゴキブリ)だけである。また、虫にしては珍しく、母性愛をもち、慈愛に満ち溢れた種のゴキブリもいる。あるゴキブリはカンガルーのように袋の中に子供を入れて育て、またあるゴキブリは母乳を飲ませるのに似た行為までする。そして、D・ブンクタータという種のゴキブリは、昆虫の中で唯一子宮の中で子供を育てる。さらに言うとゴキブリは神経生理学の発展に貢献している。ゴキブリは化学物質や刺激に対する感受性が強いうえ、神経システムが大きな細胞でできているため、神経細胞の働きを調べるための理想的な実験動物である。

     本書に一つ難点があるとすれば、このタイトルである。実は、嫌われもののことについて割いているページ数は半分にも満たない。イルカの求愛、チーターの遺伝的均一性、起業家精神に富んだ魚であるカワスズメについても書かれている。しかし、生物学上のミクロなものから、マクロなものまで多岐に渡っている内容について扱っているので、好奇心が刺激されることは間違いない。

     著者は科学者でなく、サイエンスライターである。だから、本書に科学者が書くような文章の堅苦しさはなく、グイグイと引き込まれるように読める。生物たちの動きが活発になる夏に、本書を読んで生物の奥深さに想いを馳せることも悪くないだろう。

  • 学校の図書館で借りました!
    副題のゴキブリや寄生虫の話はすこししかありませんでしたが、面白かったです☆

  • 躁鬱を経験すると、美しいものを想像出来るようになるらしい

  • 副題は「ゴキブリから寄生虫まで」。一般の人から見ればゴキも寄生虫もどっこいどっこいなので意味不明にもとられかねませんが、ゴキだって森林に住んでさえいれば立派に昆虫なんですよね。
    この本はエッセイのようなものですが、目からウロコがボロボロ剥がれ落ちます。決してゲテモノ生物のお話ではありません。

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