- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794211453
感想・レビュー・書評
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難聴でほとんどの音が聞こえない医者の自伝。
医者を目指して周囲の戸惑いや不理解と戦いながら勉強している学生時代と、医者になってからの苦労や楽しみが錯綜して書かれているけれど、非常に読みやすい。
きっと書かれている事よりずっとずっと多くて難しい問題があったのだろうけど、それを感じさせない優しい内容に本人の人柄が偲ばれるように思う。
自分で人生のハードルを勝手に高くしちゃいかんし、またそれを乗り越えるために努力すると何とかなるかもしれないんだよね。
これは小学校高学年や中学生あたりに読んでもらいたい本だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ユタ州で開業している「ろうの家庭医」の彼自身が経験してきた自伝。障害差別の少ないアメリカで、聞こえない医者としての先駆者でもあった。医学部に入学するのも大変だった時代である。その中で、医学部に入学し、妻に出会ったこと、家庭医になったこと、患者とのやりとり、子供とのたわむれなど日常的なことが書いている。自身が聞こえないことで困った事や苦労したことが、不自由だからこそ、患者さんの身になって診察できた。確かに聞こえないからこそ、得られたこともあるだろう。
今回改めて読みなおすと、書中に電話をかけるエピソードがある。同じ障害を持つものとして…聞こえなくとも電話をかけられるレベルでないと聴診器で判断出来ないのではと思ってしまう。聞こえは工夫で解決できるものでもないので、複雑な気持ちもある。とは言え、日本でも聞こえないドクターとして働いている人がいる。欠格条項がなくなった事で障害で制限されていた時代が懐かしくもあり、撤廃により広がった職業に希望を感じつつ読みました。
※【欠格条項:障害を理由に免許、資格を制限するもの】日本では2001年に「欠格条項の見直し」があり、障害を持つ人も医者・薬剤師等なれるようになった。 -
3歳まで耳の聞こえないことを本人を含め周りの人も気づいていなかった。そのおかげで、色々な体験ができたと著者は言う。医大に入る時に交わした約束が①手話を学ぶこと②医者としての体験記を書くことのふたつ。よってこの本は、私が読めることとなった。約束を果してくれた著者に感謝。
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Sくんをきっかけに出会った本。難聴でもお医者さんになれるんだね。素敵な奥様との出会いや娘さんたちとのやりとりも微笑ましい。耳が聞こえない人の気持ちが分かるだけでなく、アメリカの家庭医のドラマとしても興味深く読めた。いろいろな患者さんがいて、人の数だけ人生がある、とよく分かる。
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すばらしい読みものでした。
アメリカ人聾者のドクターザゾウの自伝。
ドクター自身が乗り越えることを乗り越え、切り拓くべき道を拓いてきた自伝。
そういう夢に向かって前進するドクターのこと、聾のことも興味深いのだけど、
彼の周囲の人、親、友達、恋人、先生、妻、ふたりの子ども、そして患者さんたちとの交流というか接し方が(ドクターの視点だけど)、とても興味深い。 -
元気がでる!
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とてもほのぼのとして心温まるノンフィクション。翻訳も素晴らしい。
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連絡会ニュース NO.103 '02/12/3