空からやってきた魚

  • 草思社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794212245

感想・レビュー・書評

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  • 著者はフランス系 5/8の米国人詩人。ユーモラスなエッセイの数々で日本語を自由に扱うところに感心した。タイトルのように動物、虫などが描かれている日常的なお話の数々。下ネタ、尾籠な話も多く出てくるので、随分飾らない楽しい雰囲気の人なんだと思う。著者が繰り返し「自分は無神論者なのだが…」という断わりを入れているのは、本人の人生を楽しむという生き方を表しているように思う。米国人が日本で結婚した場合に二重国籍が可能!との話はびっくりだ。今は解決しているのだろうか。詩人らしく、文が非常に短く、リズミカル、スピーディーに感じ、好感が持てる文章だ。

  • アーサー氏の書くエッセイは
    絵が見えてくるような
    愉快でウィットに富んだ
    随筆です。
    何度も言いますが、日本語で
    これだけ表現できる外国人の
    作家はそういません。
    著者自身も自転車を乗りこなし
    あちこち散策しているようで
    文体もフットワークが軽く
    アーサー氏のエッセイでは
    これがイチオシです。
    動物や昆虫や魚類に対しても
    同じ目線で語っているのにも
    好感が持てました。

  • きっと ものすごく沢山の語彙が彼の頭の中には詰まっているんだろうけっこういたずらっ子だったらしい子ども時代のエピソードの舞台はアメリカそれでやっと 彼は日本人ではなかったと気づくそれくらい流暢な日本語その文章力を差し引いても彼の日常は面白いあとがきに”日常は実に沢山の驚きを孕んでいて 題材に目線をあわせ耳を澄ましていれば 向こうから予想もつかない声を発してくれる”とあり だから面白いんだろうなぁしかし あとがきにあったエピソードが一番スキひろった紙筒をリュックに突っ込んで自転車ぶっとばしてたらホーホーってふくろうが鳴くとこ(笑)

  • 生粋の日本人であるはずの自分だが、日本語の語意・慣用句・言い回しに関する知識において、果たしてビナード氏に勝っているだろうか──ふとそんな不安すらよぎるほど、氏の語彙の豊かさ、使い回しの的確さには瞠目させられる。ときにその語彙の豊富さが仇となって語呂が優先されたり定句の盛り込みすぎで筆が滑り気味になったりするのも、日本人の物書きにとっては褒められることではないが、言葉遊びの得意な詩人である氏の文章らしく微笑ましく、軽快に読める。

  • <table style=\"width:75%;border:0;\" border=\"0\"><tr><td style=\"border:none;\" valign=\"top\" align=\"center\"><a href=\"http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794212240/yorimichikan-22/ref=nosim/\" target=\"_blank\"><img src=\"http://ecx.images-amazon.com/images/I/41AR0GK206L._SL160_.jpg\" alt=\"空からやってきた魚\" border=\"0\"></a></td><td style=\"padding:0 0.4em;border:0;\" valign=\"top\"><a href=\"http://blog.fc2.com/goods/4794212240/yorimichikan-22\" target=\"_blank\">空からやってきた魚</a><br />(2003/07)<br />アーサー ビナード<br /><br /><a href=\"http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794212240/yorimichikan-22/ref=nosim/\" target=\"_blank\">商品詳細を見る</a></td></tr></table>
    <blockquote><p><strong>詩集『釣り上げては』で中原中也賞を受賞した著者の初エッセイ集。物干し竿の売り声を真剣に考える「初めての唄」、鈴虫の鳴き声に耳を澄ませ、その絶妙な間をジャズにたとえる「鈴虫の間、ぼくの六畳間」、日本とアメリカで同じ女性とダブル結婚してしまう「欄外を生きる」、善意から団子虫の落下実験をする「団子虫の落下傘」、日本を訪れた理由を空からやってきた魚になぞらえる表題作「空からやってきた魚」など、ユーモラスなエッセイが52編収められている。</strong></p></blockquote>
    【外国の作家】カテゴリではなく、【ひ】の項目に入れるのが適当か、と悩む作家である。正真正銘アメリカ人なのだが、ときとして日本人よりも日本のあれこれに通じており、興味の幅が広く、しかも深いのである。そして詩人なので、言葉に対する感受性が繊細で柔らかく、新しく知った言葉の受け容れ方が柔軟である。
    どのエッセイにも著者の人柄が表れていて、つい頬が緩んでしまうことも多い。日本人にとっても、たくさんの再発見がある一冊である。

  • この人の日本語はほんとすき…!著者さんが日本語に出会ったのがおそらく私が生まれた頃だと思うんだけど。日本語オタクである(と母に言われる)私としては弟子入りしたいぐらい尊敬する人。私の読んだことのある中でいちばん面白い日本語を書く人だと思う。中身をきちんと伴った真面目な意見と思わずふっと微笑んでしまうようなエピソード、しっかり楽しめるオチつきだし。お気に入りは"出鱈目英語の勧め"です。

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著者プロフィール

詩人。1967年、米国ミシガン州に生まれる。高校時代から詩を書き、ニューヨーク州の大学で英米文学を学ぶ。卒論の際、日本語に出合い、魅了されて来日。日本語での詩作も始める。『釣り上げては』で中原中也賞、『日本語ぽこりぽこり』で講談社エッセイ賞を受賞。2022年春、宮沢賢治の英訳『やまなし Mountain Stream』を出版。

「2022年 『ハナミズキ A Hundred Years』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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