ディリー、砂漠に帰る

  • 草思社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794212603

感想・レビュー・書評

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  • ソマリアの砂漠で遊牧民として育ったワリス・ディリーの追憶記『砂漠の女ディリー』の続編である。

    13歳の時に伝統に沿ってラクダ数等との交換で結婚させられそうになり、砂漠の生活を捨て、紆余曲折の末に世界のスーパーモデルとなったワリスは、その絶頂期にあったとき、自身がいわゆるFGMを受けていたことを告白した。それがきっかけで、その後女子割礼の廃止を訴えるために国連大使となる。

    ニューヨークでの文化生活に自分でも気づかぬうちに疲弊していたワリスは、『母にもう一度会いたい』という思いから、一度は捨てた祖国、家族を訪ねてソマリアを訪問した。これはその時の記録である。

    一度ソマリアを離れたからこそ西洋との比較で明確になった祖国への愛、悪しき慣習に対する経験者としての強い思いが、彼女の強さや健全な勇気とともにアフリカ人らしい明るさで描かれている。

    自然の過酷さのなかで、必要最小限だけを持ち、日々感謝しながら生きることの美しさと、祖国ソマリアの太陽・空・大地に対する深い愛が、何とも言えず素晴らしい。

  • 『砂漠の女ディリー』の続編。
    2004年2月16日付赤旗書評欄

  • 2019/03/28Mリクエスト
    砂漠の女ディリーの後編。
    スーパーモデルとして成功しても、なお故郷への想いは断ち切れないもの。
    自分が育てられたように、自分の子どもは育てたい。
    故郷で完全なる男尊女卑の扱いを受けても、受け入れるでもなく受け止め、故郷の自分のあとに続くおんなの子の女性器切除をなくす為の活動に励み…
    頭が下がる想いです。
    学校での勉強以外に、いろいろな経験から人は学んでいくのだな。

  • 『砂漠の女ディリー』の続編。20年ぶりに故郷ソマリアに帰る。ニューヨークで買った手鏡を母にプレゼントしたシーンが印象的でした。物質的なものに恵まれているだけが幸せではないということに気づかされます。外見ではないよね。

  • 「砂漠の女ディリー」の続き? ややかぶってる部分もありつつ。 13歳で祖国から逃げでて、トップモデルとなり、20年ぶりに家族を訪ねる。

  • 割礼
    今でもこんな残酷なことがなされているのかと、ビックリします。
    この開放のために、生まれてきた人じゃないかしら

  • 人は生まれてくる国、場所を自分で選ぶことはできない。その人にふさわしい場所に人間は生まれてくる。。とも聞くけれど、本当のところ どうなのだろうか?

    そして このアフリカのソマリアで生まれたワリス・ディリーは、どうだったのだろうか?彼女は、父親が決めた老人との不当な結婚から逃げ出し、単身でロンドン、NYに渡り、一躍スーパー・モデルになった女性。

    彼女の書いた自伝『ディリー、砂漠に帰る』(草思社)を読んだ。初めて書いた自叙伝『砂漠の女ディリー』の続編。『砂漠に帰る』ではトップ・モデルに登りつめた後 母となった彼女が西洋の生活に疲れ、故郷を旅する過程が描かれている。

    ワリスは、モデルの他に国連特別大使としてFGM(女性性器切除=女子割礼)廃絶を訴える仕事もしている。何年か前に見たNHK番組『未来への教室』の先生をつとめた彼女はとても知的なイメージが印象的で美しく素敵な女性だった。

    トップ・モデルになった今でも彼女は、生まれた国を心から愛していて、西洋社会に毒されては決していない。そこが特にすごいなぁと思う。だって、西洋ばかりがいいってわけではないからね。とても賢く意志が強い女性のようだ。子供の頃から、ソマリアの女性蔑視のような古いしきたりや風習に疑問を持ち、それを今でも持ち続け、自分の意見を曲げない。

    まだまだ、地球の上では、現在でもどう見てもおかしな風習をもって生活している国はある。その中でも性差別、民族的差別などはおかしい。ワリスは、それを世界に知らしめていく役目を持った、誇り高きアフリカ女性なのだ。

  • 前回以上に「1人の女性としてのディリー」を感じることができる『砂漠の女ディリー』続編です。ソマリアでの生活描写はとてもリアルで疑似体験したかのような感覚が味わえます。家族とは..自分にとっての幸せとは..等、改めて考えるよい機会を与えてもらった気がします。

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