エデンの彼方

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制作 : 池 央耿 
  • 草思社 (2003年12月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794212689

エデンの彼方の感想・レビュー・書評

  • 30年にわたるイヌイットとインディアンの研究をもとに、狩猟採集民と農耕民の文化の比較を通じて、人類の歴史を根本から再考した類のない試み。

    狩猟採集民は同時代人である。
    我々は農耕民とその末裔である。

    狩猟採集民は一定の範囲の土地に根ざした生活を送り、農耕民は創世記のカインにみられるように、地上を放浪する。

    (中略)

    今日、本来の狩猟採集社会は失われたが、それは我々、農民とその末裔に侵されたからである。しかし彼らは現代に生きている。本書で狩猟採集民の美質を多々明らかにした著者は、一方に与することなく、正邪、善悪の二極対立を越えたところに、人間としてよりよく生きる道が見いだせることを示唆している。

  • 英語を身につけたいと願うイヌイットは少なくない、英語ができなければ社会的にも政治的にも肩身が狭くなるから
    弱年の怒りは認められるが大人が怒りをあらわにすることは許されない

    農業が始まって以降、移民は、辺境の地で農場を営み、人口が増えるとまた、新たな未開地を求めて移動し、フロンティアを押し広げてきた
    狩猟採集民は旧来の手段によってすでにあるものを利用し、現状を維持する。子孫を増やして地に満ちる考えはない。今いるところがすでにエデンの園なのだ。
    狩猟採集民にとって、物質的な充足は環境を知ることによってもたらされる。環境を造り変えて得られるものではない。

    崇敬を集める狩りの名人はいるが助言に従うかどうかは個々の判断に任せられる。平等主義に撤している狩猟採集民は機動性が求められる生活形態と、限りある資源が人口を抑制する。
    農業が成功すれば家族の生活は保障される。その代償は畑を耕すという重労働であった。家族総出で長時間働かなくてはならなくなった。そして害虫、窃盗などからそれらを守るため、農耕民は攻撃的になった。

    政府は言葉を取り上げた。言葉が失われれば、経験と知識の継承が失われる。

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エデンの彼方の作品紹介

狩猟採集民の社会・文化の特質を農耕民のそれと対比しながら、進歩史観を排して人類の歴史を根本から捉え直した瞠目の書。

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