- Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794213105
感想・レビュー・書評
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狭山事件の本2冊目。もう1冊の方が被害者の善枝さん側から事件を検証した本だったのに対し、こちらは被告の石川一雄さん側から事件を綴った一冊。
石川さんの生い立ちなどにも詳しく触れ、狭山事件だけではなく帝銀事件や下山事件など他の戦後の重大事件のことも載っており、読み応えのある内容でした。
警察、裁判所、マスコミが一丸となって無知な青年を陥れようとしているのに恐怖を感じた。警察の証拠のでっち上げも杜撰すぎる。自供さえ取っちゃえばそんな適当でいいの…??と愕然とした。これだけ冤罪の証拠がそろっているのにどうして未だに訴えが退けられ続けているのかが謎です。警察とは、裁判所とは、一体何なんだ。そして、石川さんが捕らえられている間にも真犯人は野放しになっていて、のうのうと生きていた…と思うと恐ろしかった。それにしても当事者でもないのに義憤に駆られて暴徒と化す輩はいつの時代にもいるんだなぁ。そういうやつらが一番厄介だと思う。
事件から月日が経つにつれ関係者はどんどん亡くなっていく。すべてが有耶無耶で終わってしまわないことを願います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1960年代に起きた狭山事件について、冤罪であるという視点で受刑者の石川一雄を綴った本。被差別部落という問題を絡めつつ問題に迫っており、重く読ませる本となっている。
ただし、著者は後々になってから狭山事件に興味をもったのであり、当時の状況をつぶさに追ったルポにはなっていない。
真実はどうか知らぬが、警察と裁判について考えさせられる。現代の私達は過去のものとして魔女裁判を笑うが、数百年後に現代を振りかえって笑われない保証はない。
というよりも、人間はこれまで自分が生きている時点においては、常に正常だと思い込んで異常の中を生きているのではないだろうか? -
狭山事件の犯人とされた石川一雄さんへのインタビューなどをもとにしたドキュメンタリーです。