- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794213624
作品紹介・あらすじ
『広辞苑』の前身である『辞苑』が密かに模倣していた3冊の辞書は何か?名辞書の呼び声高い『例解国語事典』を襲った信じがたい悲劇とは?ミステリーの謎解きを思わせる手際であぶりだされる国語辞書をめぐる「事件」の真相。長年にわたり日本語と国語辞書をめぐる問題を取材し続けてきた著者だから書きえた瞠目すべき書。
感想・レビュー・書評
-
国語辞書にまつわる事件や問題をとりあげた、雑学エッセイ。
今回もおもしろかった。
国語辞書のミスや悪しき慣習について、具体的に辞書名、個人名を出して指摘することは、なかなかできることではない。
真摯に調べたデータをもとにしていること。
さらに国語辞書への愛情と尊敬があるからこそ、これだけはっきりとした批判が受け入れられるのでは。
特に、『広辞苑』の前身である『辞苑』が、他の辞書を切り貼りしてつくられたもの、という指摘がすごい。
他の辞書と見比べてコピペ元を探すという、執念のデータ検証には、脱帽。
似たり寄ったりで紛らわしい辞書名を、「ダイゲン海」「コージ林」といった大胆な略称に変えてしまう手法も、わかりやすかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いいんですよ
本当にいいんですよ
でも…
3.8点 -
国語辞典にまつわる雑学…っていうのかな。使えない辞書として攻撃的に並べ立てた内容のものを、他の著者の本で読んだことがあるけど、そういう類でないのが良いです。名義貸しやパクリ疑惑など、知らなかったたくさんのことをきつい批判でなくやわらかい文章で書かれていることにも好感。素直に面白く読めました。一つ一つの見出しも面白さを引きたててます。何気なくお世話になってる国語辞典に、愛着を感じました(でも私の持ってる辞書も、「轆轤かんな」は間違ってた…)
-
辞書を1つの本の分野として研究する。
それまで、私の中では「辞書=言葉の意味が載っているもの=嘘がないもの」って思っていたけど、こう思っていてはいけないんだと気付かしてくれた。
確かに辞書も「人が作った本」なんだよね。完璧なら、それこそ1冊で良いものの、何冊もあるってことは・・・・ねぇ。
新解さんシリーズみたいに、「笑い」はそんなにないけれど、教養深い1冊。
辞書の歴史なんて案外知らないでしょ? -
『広辞苑』の誕生はたしかに問題ありだが、それを改訂していった新村猛たちの功績はもう少し評価すべきだ。
-
未読