お母さんはしつけをしないで

著者 :
  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794214003

感想・レビュー・書評

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  • 親に従うというスタイルは自分らしさの放棄につながり、それが自信喪失が深まることに寄与し自分とは何かという感覚を喪失する、と壮大でわりと厳しいことがさらっと書いてある。夫婦間の問題についても書いてあり、相手に期待するな等、夫を岩に例えたり…
    躾られて立派な大人が果たして幸せなのか。仕事以外に生きがいがあるか、家庭に心地良い場所があるか、のんびりする時間を持つことを自分に許せるか、人間を序列的に見てしまうことはないか、自分とは違う考え方を持つ人とも譲り合うことができるか、考えさせられる一節だった。

  • 子どもの将来を思って良かれと思って教えていること、その関わりが子どもの心に大きなゆがみを作っています。お母さんは、しつけをせずに子どものあるがままを受け入れて問題は棚に上げておきましょう、という主張の本です。

    ◉子どもに勉強をやらせるな。抑圧されて育つ弊害は目に見えないところまで含めると非常に重大。
    ◉お母さんは「母性」を発揮して、父性は手放せ。
    母性とは、わかる、認める、受け止める、許す、包み込むこと。つまり、何か問題があっても「いいよ」と受け入れて一時的に棚に上げること。
    父性とは逆に、分からない、拒否する、はねつける、罰する、断ち切る。
    →指示、禁止、注意を控えて親子ともに失敗の経験を積もう。

    子どもの自尊心、主体性を育むには
    ◎子どもを完璧に管理しない、隙のある関わり
    ◎子どもの話をよく聞いて、親世代にはよく分からないことであっても部分的にでも受け入れる
     
    子どものことを無条件にOK!と思う心を大切にしようと思った。今の私には、幼稚園入園までにオムツが外れるのか?という不安がある。もし4月までにオムツが取れていなくても、私は悪い母ではない。本人が困るだろうと今急かしても、家庭の中で子どもを困らせるのだからそれはもっと酷いことかもしれない。
    とにかく家庭の中は安全な場所にしよう。
    「この年齢なのにまだできないの?」という声は受け流す。ここに母親の強さを発揮すればいい。


  • ☆ 子どもにたっぷりと失敗の経験をさせてあげましょう。
    そしてお母さんもしつけに失敗することです。
    けっして「よい子」「よい母」を目指しては
    いけません。

    ☆ 「問題」は子どもからの贈り物
    子どもはつねに、お母さんに「生きる意味」を
    問いかけている存在なのです

  • 「子どもを信じること」という本で紹介されていて読んだ。似た感じかと思うと、そうでもない。こちらは青少年犯罪の子などが、非常によくしつけられていた過去をもっている事が多く、しつけ=ありのままの子供を認めていない。親の言う通りにさせようとする。子供が無理に自分を押さえ込んで言う通りにして、そしてゆがむ。という事がよくかかれています。前者の方は、親として自分へのチャレンジの感じが多い。
    いじめをなくそう、ってどうしたらいいのだろう?とか思っていたけど、やっぱり親がしつけたりすることがいじめの芽になっているのだと思う。
    この本をよんで、よくしつけられた子がいっぱいいそうなお受験私立には、いじめが多そうだなぁ、たとえ自分の子供の学力があっても、そういうところには通わせたくないなぁと思ったのでした。
    <しつけに熱心なお母さん達は、子供に大人化を期待するあまり、母性で接する余裕を失い、ついつい父性的な関係を子供との間につくってしまう傾向があるのです。

    しつけをしないとは、子供を現状のままで認めてやる事によって母性的環境をつくりだしていることになります。>

  • 素直に読めば、現役ママにはいいのかも。

著者プロフィール

1959年、愛知県生まれ。東海女子大学人間関係学部心理学科教授。名古屋大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。専門は心理療法。1999年に「親子連鎖を断つ会」を設立し、虐待する親のケアに取り組んでいる。スクールカウンセリングや犯罪心理鑑定など、幅広い実践活動に日々奔走している。
著書に『子どもたちの「かすれた声」』、『たましいの誕生日』、『こんにちは、メンタルフレンド』(いずれも日本評論社)、『しつけ──親子がしあわせになるために』(樹花舎)、『〈私〉はなぜカウンセリングを受けたのか』(東ちづると共著、マガジンハウス)などがある。

「2003年 『たすけて! 私は子どもを虐待したくない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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