- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794214348
感想・レビュー・書評
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本著では、40あまりの野菜について、歴史、栽培、調理法など幅広く紹介されています。著者は、大学や県の農林技術研究所で野菜や植物の研究を経て、専攻は雑草生態学で、先に雑草の生態を紹介した本を出されているらしいです。挿絵もよく、スーパーでのカットされた野菜から、本来の植物としての全体像を想像して楽しみながら、読めました。
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田川一希先生 おすすめ
73【専門】626.04-I
★ブックリストのコメント
タマネギを切るとなぜ涙が出るの?─子どもたちにとって身近な生物「野菜」の不思議に迫ってみましょう。 -
閲覧室 626.04||I 「枝豆の魅力」
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一つ一つの「身近な」野菜について、読み手の興味を逸らさないエピソードを次々に上手くつなげていく。ちょっと難しい専門用語を時々登場させても、本当に巧みに文脈に紛れ込ませているので、全く読みづらさを感じさせない。本当に語り上手。野菜を自分で作っているので知っている話も多かったが、大変面白く読ませてもらった。野菜のうんちく本は他にもあるけど、この本がナンバーワン。
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資料番号:010954352
請求記号:626イ -
エピローグに「私たち人間と同じように悲喜こもごも暮らしている野菜たち」と書かれてあるが、まさしくその通り。想像していたとはいえ、それぞれの野菜に、実際こんなにも涙ぐましい生命の歴史と物語があったとは。
今この一瞬も、野菜たちの時間は真剣な命の営みに満ち溢れている。
加えて、それぞれに添えられた野菜のイラストは素晴らしい。写真よりも精密。まるで野菜の想いまで伝えているかのようだ。
それぞれの野菜を手にするたび、捧げ持ち、その功績と努力の日々に大いなる賛美を贈りたくなること間違いなし。 -
何気なく使っている「野菜」。この野菜たちのことを優しいまなざしで見つめ、細部まで観察している作者。まるで、一人一人の子どものことのように、楽しく、面白く、しかし、真面目に語っている。これを読むと、野菜に感謝の念さえ湧いてくる。野菜バンザイの本なのです。細部までしっかりと描かれたイラストも豪快な大きさで圧倒される。
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イチゴは野菜です。果物ではありません。果物と野菜の区別は、木と草の違いです。木本で、一度植えておけば永年的に収穫できるものが果物で、草本で短い期間で定期的に植え付けて収穫するものが野菜だそうです。
イチゴの真っ赤な部分は、本当は実ではありません。これはよく知られた話ですね。普通、雌しべの根元である子房が太って実になりますが、イチゴは花托(かたく)と呼ばれる花の付け根の部分が太ったものです。本当の実ではないので、それは偽果(ぎか)と呼ばれます。
本当の実は、イチゴの赤い部分に付いている粒々です。イチゴの花をよく見ると、雄しべに囲まれた部分に、雌しべが多数観察できます。イチゴの果実を縦に切ると白い筋を見ることができます。この白い筋が、イチゴの粒々である実に水分や栄養分を送るものです。
このイチゴの話は、稲垣栄洋「身近な野菜のなるほど観察」からです。この本には、日常の食卓にのっている43種類の野菜について、その生態、歴史、体のつくり、人との関係など、不思議な楽しい話が満載です。また、生物学と日常の橋渡しをしてくれる本でもあります。明日の初めての授業で、使ってみたいと思います (^_^) 。