女教皇ヨハンナ (上)

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制作 : 阪田 由美子 
  • 草思社 (2005年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794214485

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女教皇ヨハンナ (上)の感想・レビュー・書評

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  • 9世紀に女性が男装して僧門に入り、教皇にまで登りつめたものの、出産により女性だと露見し、その後彼女の記録はすべて抹殺され闇に葬られた――という伝説を基に書かれた小説。「教皇ヨハンナ」の存在については、いろいろな説があるそうですが、私としては今の所、実在したとは思っていません。

    というわけで、100パーセント「これはフィクションだ」という前提で読んだ感想。

    まず中世ヨーロッパの生活について、具体的にイメージできた点は良かったと思います。この時代はルネサンス以前の「暗黒時代」という印象ぐらいしか持っていなかったので。人々の生活風景や魔女裁判などの記述は興味深かったですね(魔女裁判は、単なる薀蓄ではなくちゃんと後半への伏線になっていますし)。作者は確かヨーロッパ史の専門家だったと思うので、記述の確かさはとりあえず信用しておきます。

    キリスト教の教義にガチガチに縛られ、女性は学問はおろか文字の読み書きすら許されなかった中世ヨーロッパ(日本では小野小町がいた時代ですよ!)で、それでも才能に恵まれ、貪欲に知識を求め続けたヨハンナ。周りが中世のキャラばかりの中でヨハンナとその恋人ゲロルトだけが現代人です。これはまぁ、読者の共感を得るために敢えてそうしたのだろう、と思います。

    しかし、それはそれとして「テンプレキャラ」という印象はやはり否めないのですね。ヨハンナは聡明で弱者への思いやりがあり、ゲロルトに恋をしてもそれに溺れることなく、人々と世界のために教皇としての責任を全うしようとします。ゲロルトはそんなヨハンナを理解し尊重し、決して支配的にならず誠実に彼女を支え続けます。何かこう、男性に求められる美点を集めたようなキャラなんですね。逆にヨハンナの父親は、女を軽蔑し、とにかく力で支配し従わせようとするDV男で、男のイヤな所を集めたようなキャラ。

    ストーリー展開も、良く言えば王道ですが、悪く言えばお約束すぎる。ヨハンナは望まない結婚を強制されますが、婚礼のその日にノルマン人が襲って来る。その場にいた人は皆殺しにされ、あるいはさらわれていきますがヨハンナだけ無事。その後、兄になりすまして修道士になりますが、父親が会いに来て正体がばれる!と思ったら父親はその場で急死。本当に正体が知られてしまう場面もあるのですが、知ったのは偶然にもかつての愛弟子で秘密は守ってくれる。ちょっと都合よすぎません?

    ゲロルトと結ばれる場面も、今時こんなのありか!と思うようなテンプレ展開(冷え切った身体を人肌で温め、そのままなだれ込み)。前半の小道具が伏線として上手く生かされているなぁと思う場面はあるものの、やはり少々ベタすぎるのではないかと思いました。

    ヨハンナが死産して本人も死亡する場面は、少し描写があっさりしすぎな気もしましたが、あまりくどくど書かれても困るので、これはあっさりで良かったかな。ヨハンナの記録をこっそり書き込む司教アルナルドが実は――というオチも良かったと思います。

    ささやかな疑問点ですが、ヨハンナが地下牢に何日も閉じ込められた後、無精ひげボーボーにならなかったことを怪しむ人はいなかったのでしょうか?

  • 面白い!

  • 本屋で平積みされているのを見て「女教皇」というワードに反応して読んでみた。
    結構面白かったし、もう一回読みたいけど、なんか厚みのある本上下巻しかもハードカバーっていうのが割とネックになっている気がする。

  • 下巻にかきます

  • 意外と面白かった

  • 伝説上の女教皇ヨハンナの物語。フランク王国の時代の話はあまり読んだことがないので、おもしろかった。
    中世において、女は罪深く、能力においても劣っており、男に従うのが当然とされていたことがよく分かる。また、信仰の名のもとに罪のない人びとが理不尽な仕打ちを受けたり、厳しい身分の差があったりと、その時代の社会の様子も伝わってくる。
    物語の展開もハラハラドキドキの連続で楽しめる。歴史に詳しくない人でも読みやすい。

  • 実在したか否か謎の女教皇ヨハンナの話。男女差別が明確に存在するヨーロッパ9世紀に一人の女性が男性としてローマ法皇まで登りつめる。翻訳がとても読みやすい。

  • 題材やテーマは魅力的だが、人物造形・描写があまりにも類型的で、展開も御都合主義。歴史小説としての時代考証も怪しいところが少なくない。

  • 本人作家の書いた本で、ヨハンナの存在は知っていた。

    昔、男性を装いローマ法王まで上り詰めた女性。
    博学ではあったが、少々節操に欠けるタイプで男の人と駆け落ちしたり、彼女が彼女であるとばれたのも儀式の最中、出産したから。 というもので、
    本書 『女教皇ヨハンナ』を読まなければ、ヨハンナに対する私の知識的価値観はこのままだっただろうし、『女教皇ヨハンナ』しか読んでいない読者は、本書のヨハンナ像がそれとなることだろう。

    9世紀、ドイツで生まれた女の子が、ローマ法王となり、公的儀式の最中に出産した。
    彼女の存在は封印され、永久に抹殺された。 というのは同じなのだが、
    ドナ・W・クロスは主人公ヨハンナを、9世紀男尊女卑の風土に生まれたひとりの少女の人生をドラマティックに描ききっている。

    そもそも、歴代教皇名簿からは完全抹消され千年以上前に生まれたヨハンナが実在したかどうかも疑わしい。

    しかし、ヨハンナ伝説は根強く残っており、その存在を実在と仮定する(信じる)ことからこの物語ははじまっていく。

    作者のドナ・W・クロスもヨハンナが実在したかどうかは断定できないとし、ヨハンナはインゲルハイムの生まれで父親がイギリス人、一時期フルダの僧院に身を置いていたこと以外にはほとんどわからないとも書いている。

    したがって、本書は、フィクションとして読む方が楽しめる書物といえるのかもしれない。

    本書の中でヨハンナは恋をするが、その愛は純粋で、産み落とす子供も生涯たったひとり愛した男性の子である。
    聡明で節度を保ち、運命の悪戯からローマ法王の側近となって、気がつけば法王の椅子に座らされていた。
    民衆のことを思い、他方で秘められた愛の炎を燃やしつつ精一杯生きているヨハンナは健気ですらある。

  • 上下巻。

    歴代のローマ法王の中に女性がいた?
    ヴァチカンがひた隠しにしているといわれる存在。
    頭脳明晰、上昇志向の強い女性。

    当時の時代背景を思うとヨハンナの現代的すぎる考え方が
    気になったが、物語としてはおもしろく仕立てていると思う。

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