- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794214669
作品紹介・あらすじ
連合軍の徹底的な空爆によって廃墟と化し、半世紀におよぶ東独時代を経て、十八世紀に遡る絢爛豪華な町として甦ったドレスデン。アウグスト強王と美しい側室コーゼル伯爵夫人の愛憎物語。ヴェーバー、ヴァグナーゆかりの歌劇場ゼンパーオペラ。ヨーロッパ有数の絵画コレクション、アルテ・マイスター。そしてオリジナルの石の瓦礫を使って復元された聖母教会。訪れる者を引きつけてやまないこの町の魅力を余すところなく描きだした秀逸なエッセイ。
感想・レビュー・書評
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この著者の本は書店でよくみかけるが、どうもタイトルにそそられないので読んだことはなかった。ドレスデンについての本というのが意外に存在しなかったのでこれを手に取ったが、やはりどうもこの著者とはいまひとつ感覚が合わないというか…
ドイツの地名、アメリカの小説家の名前など、表記がヘンなところが多々。著者はドイツ在住が長いようなのでしょうがないとしても、編集の人が気づかないというのもいかがなものか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第二次世界大戦空爆により瓦礫化したドレスデン。表紙にあるその建物は、数年かけ再建され多くの人々を魅了するまで蘇った写真である。なかでも本書で取り上げられている「聖母教会の奇跡」の章では瓦礫化した建築物の一つ一つに番号を付け保管し、資金不足と戦いながらそれらをもとに再建していくさまは、著者が述べるように奇跡的である。瓦礫を撤去して新しく建築するのではなく、瓦礫を財産として再生するドイツ人の考え方に深い感銘を受ける。それは木の文化を受け継いできた日本人とはまた違った感覚である。