- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794215956
作品紹介・あらすじ
「本当の自分」の正体、ほんとうに知りたいですか?表に現われてこない「本当の自分」とは、じつはあなたが「封印している自分」なのかもしれない…。臨床医としてあらゆる患者に接してきた精神科医が、心の奥底に深く下りていって見つけたものとは?エッセイと不穏な小説でつづる、不気味な自分探しマニュアル。
感想・レビュー・書評
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「本当の自分」という言葉を使う時、しばしば理想的な自分の姿を想像しがちだけれど、「本当の自分」は「封印している自分」かもしれないよ。
という主旨の本。
仰るとおりのような気がします。
もう自分の内面に過剰な期待なんて持ってない気でいたし、「自分探し」なんてする気もなかったのだけど、こうもあれこれと実例を出されると残りの夢とか自惚れとかまで粉々ですね。
「本当の自分」という妄想は、現実の自分の醜悪さから目を背けるためのものなのかもしれません。
だって、どんなにおぞましくても自分からは逃げられないんだから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
たまたま見つけてタイトルに惹かれて読んでみた。
精神、心理的な事が書かれてるのかなと思ったらエッセイみたいな感じでちょっとイメージと違った。
だけど文章は非常に読みやすくスラスラ読める。
「熱中して読んだ!」ってわけではないが、読書と読書の間に挟んで読んだら、いい気分転換になる! -
精神科医のエッセイと超短編小説集
いつもみている風景が、ふとした瞬間に
全く別の不気味なものに感じてしまう、かのような
それぞれのお話。
不思議にぞわりとする本でした -
一昔に流行した「自分探し」。今ある自分は本当の自分ではないと否定して「理想の自分」を探して彷徨う。「本当の自分ではない」という感覚は違和感、不安感、不全感となって現れる。それらを消し去るために精神があらぬ方向へと揺らいでいく。著者自身の体験や接した患者のこと、掌編小説を通して「自分探し」を解体していく。人間は何事もにも意味や価値を求めずにはいられない。そこに人であることの業の深さや悲哀があるように思える。合間に挟まれる掌編小説も面白く読みました。
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思索
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まぁ勝手に「こういう本だろうな」と期待したこちらも悪かったんだが。
個人的に自分探しとか大嫌いで、自分探しとか言っているやつはもっと嫌いで、そんなバカとガキの代名詞「自分探し」の危険性について心理学などの観点から説明してくれている一冊…とか勝手に期待していたら、精神を病んだ人たちが物理的に痛々しい行動をしてしまったのを説明した一冊。
頭のおかしい人がおかしい行動をするのは当然だろう。だからなんだって話。個人的には興味がまったくなかった。好きな人は好きなんだと思う。 -
No.877
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タイトルと表紙から、もっとおぞましい感じを想像してたけど、
もうちょっと軽くって、著者のタワゴトがちりばめられてる感じ。タワゴトって失礼だけど、まさにまさにそんな感じ。
割といい。 -
面白かった!
自分もだけど、自分の周囲にもいるふつうの人々の中からたまにチラっとのぞく「ヘンさ」の数々がぎっしり詰まってるかんじ
ひとりの人間が自分の中に中に入って書いた本ならもっととらえやすいかもしれないけど、著者が精神科の先生だからかなのかヘンさの手触りも多様、なんだかはぐらかされるような人の悪そうな書き方もあって、面白かった
クラフト・エヴィング商会の本にも似た夢みたいな感覚も -
雑感と創作のミクスチャー。
とうとうこういう方向へ向かわれましたか(´ω`;)ヾ
まあ、個人的にファンというか、
この先生の文章が感触として好みに合っているので、
どんな形で出されても受け入れられちゃうんですけど(笑)。