- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794218261
感想・レビュー・書評
-
面白いけど・・・。訳し方が下手な気がします・・・。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんとも読みにくい本であると思った。内容をうんぬんする前に、読んでも読んでも内容が頭にイメージができない。
本書の著者は英「フィナンシャル・タイムズ」誌記者だそうであるから、原文は英語なのだろう。この読みにくさは、原書のせいなのかそれとも翻訳があまりにもこなれていないせいなのか。
目次で見る項目は興味深いとも思えるし、ジャーナリストの書く内膜ものなのだから、本来ならばわかり易いはずなのだが、あまりの読みにくさに、久々に読書を途中で断念してしまった。
本書は、極めて残念な本である。できれば別の翻訳で読んでみたいとも思ったが、全く評価できない本である。 -
まあそうだろうなあと驚きはなかった。でもこれを当たり前だと思うようにはなりたくない。
-
やっと読み終わった。
共産党の内情や支配の手法を実例を挙げて説明しています。
中国共産党の絶対的な権力。
そして時に巧みで、時に大胆な手法に驚かされますが、何よりも驚くのは中国のトップクラスの共産党員になるまでの過酷な道程。
まさに、知力体力時の運。
政府の要人になるための道程が過酷なのは各国共通と思いますが、中国のそれはズバ抜けていると思います。
中国ビジネスに関わる人は、どんな人達を相手にしなければならないか?という視点で読むと緊張感が増すかもしれません。 -
+ 筆者のマグレガ-は中国共産党を中央委員会乗務員会を頂点とする権力構造としてとらえている。いろいろな証言を連ねている。
それはそれてとして、確かにおすなのだろう。実際に中国へ行って、いろいろ見聞きしたことから、格差の拡大とか、いろいろな面で、違和感を感ずることは多い。
ただ、権力の問題だけで、支配と支配されるものとの関係だけでとらえきれるかというと疑問を感ずる。
-
先輩からの推薦図書。タフな国家だとは、なんとなーく頭で知っているつもりになっていても、これを読むとはるかに想像以上だと感じます。
-
長い期間をかけた豊富で綿密な取材をもとに書かれた、中国共産党が現在の中国でどのような存在なのかを書いた本である。本当に力作である。ぜひ皆さんに読んでもらいたい。
この本を読みながら、再び思ったことは、私たちはいかにモノの見方が固定化されてしまっているのかということである。
例をあげれば、アラブの春が「独裁政権倒すとそこに民主的で平和な社会がうまれる」というような有り得るはずの無いことが当然起こるという前提の文脈でニュースが語られ、それを視聴者が違和感無く聞いてしまうということがある。
私は1992年のタイの民主化運動の時に、マスコミの報道姿勢と日本人のものの見方がいかにステロタイプで現地の人達の理解からかけ離れたものであるかを思い知った。日本のマスコミと日本人は、教科書に書いてある「反民主的な独裁者や腐敗した政府、あるいは軍事政権を民衆のデモが打ち砕いて平和で公平な民主的な社会が作られる」という物語がそこに起こっていると思いたいという願望を投射しているのであって、そこにはその時その場所でどのような人々がどのように考えてどのように行動しているのかを知ろうとする態度は薄弱だ。
そして、それは団塊の反体制世代の特性にすぎなかったものが、報道という産業の体質になり長年のマンネリの中で堕落してしまっている。そのため、今回のタイの騒動でもそれはまったく変わっていなかったし、アラブの春にいたってもまったくかわらず、今も中国社会を語る時もそうだし、最近のミャンマーについてもそうだ。むしろより表面的で浅はかなものになっている。
中国、そして共産党の独裁については、日本の大部分の人間には、自分たちの持っている固定観念が故に、それを理解することは大変難しいのではないかと思う。実際に中国で生活したりすることや、そして本書のような文献に恵まれることもその固定観念を払拭するには十分ではない。しかし得難い数少ない有意義な体験であるので、本書はぜひ読むべきである。
中国共産党とその支配については我々はほとんど知識も実感も持っていない。そういう意味で大変貴重な書である。共産党は中国の法律を超えた存在であるということを知っている日本人は少ないだろう。市には市長と書記がいる。会社にも董事長と書記がいたりする。「総経理は社長で、董事長は取締役会議長なんだね」とか、「市長と書記とどちらが上なの」とかいうレベルの会話が繰り返されている以上の理解が進まない自分たちを反省する必要がある。
自分たちの常識の範囲を超えた社会制度や体制を理解する事は難しいが、みずからがそれを知ろうとする態度を失ってはいけない。そのような固定観念を助長しているのは歴史や政治の教育のあり方や学者であるとも思う。
私はかつて中国の生産法人で働いていたときに、通常日本で普通に行われている、中国の「工会」を日本語で「労働組合」と訳すことは不適切ではないかと思っていた。この本でも日本語訳は「労働組合」と訳されている。原著でもおそらく「Labour Union」となっているのだろう。しかし「工会」は「工会」であって通常日本人が理解している日本の「労働組合」とは異なる。
「工会」の歴史についての日本語の文献は簡単にみつからないので、推測になってしまうが、もともと1925年に「工会」が誕生した当時は、欧米の「労働組合」をもとにしたものであったのではないか。しかし1947年以降資本家が存在しなかった中国において、国営企業では「工会」はその性格を変えて行ったのだろう。いまとなっては「工会」は資本家に対抗して作られる、「搾取される労働者の団体」であるという解釈は一面的である。多くの場合管理者も経営者も参加する団体である。そこで混乱して思考停止に陥る日本人も多い。
が「工会」を「工会」として知ろうとすればそれほど難しい組織でもない。問題の本質は「労働組合」が正しい訳かどうかというより、日本人が「労働組合」と聞いた時に持ってしまう先入観がさまざなま無理解を生じさせてしまうことにある。中国には「労使対立」は法的には存在しないので、「工会」と「経営幹部」は対立するものではない。共産党も中国の法律も対立組織とはとらえていないのである。しかし経営者と企業を安定的にコントロールするためのツールととは思っているだろう。
日本では(多分欧米でも)中国の企業でも幹部と一般者の葛藤が生じる事は当然あり、その係争に対応する事が「工会」の機能の一つとして有るがために、それを「資本家」と「労働者」の対立と見てしまう誤謬が生じる。「労働組合」と聞いた日本人はその時点で労使対立の構図を頭の中に形成してしまっている。
欧州で労働者の組合が資本家に対抗してストライキをやることを、プロレタリアートが資本家を倒して革命を起こして社会主義から共産主義に至るプロセスになぞらえ、そして中国の現状をそのプロセスが起こっていると見てしまう誤りが非常に単純な固定観念から生まれてしまう原因になるからである。したがって、日本人のなかでも戦後左翼とそのシンパの思考パターンを持っている人達が、もっとも現在の中国と中国共産党の実情を理解できないであろうと思う。
虚心坦懐に本書を読み、ニュース記事などの断片の中から事実だけをもとに、イデオロギーにまどわされずに、そしてできれば中国で仕事や生活をして、共産党員や民衆の態度を実感していくことで、中国共産党に対する理解ができてくると思う。この本は現在の中国共産党の姿を知る地図としてとても役に立つはずだ。 -
歴史、中国企業との関係、台湾との関係、腐敗について、資本主義への姿勢など、中国共産党について丁寧に描かれている。
中国ってよく分からない国だったけど、この本を読んで、理解できた部分が多かった。特に興味があったのは、中国企業への共産党の影響力と、(選挙の時期と重なったのもあって)台湾との関係。今後、中国の世界への影響は確実に高まるわけで、今の段階でこの本に出会えたのはラッキー。というわけで、かなりお勧め。中国に興味ある人もない人もぜひ! -
最近読んだ本で最も読み応えがありました。
こういう本はおそらく日本人には(諸々の理由で)書けない
でしょう。
中国の人口約13億人、共産党員約8000万人。
中枢は中央政治局常務委員の9名。
どうすればこの9名に入れるのかが謎です。
中国に関心のある人の必読書というべき力作だと思います。
翻訳者と出版社に敬意を表します。