機械より人間らしくなれるか?: AIとの対話が、人間でいることの意味を教えてくれる
- 草思社 (2012年5月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794219008
感想・レビュー・書評
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コンピューターと人間を、それとわからぬよう対話させ、“どちらが人間か”を判断するチューリングテスト。
そこに人間として参加することになった著者の、「コンピューターに負けないための」作戦立案にいたる諸過程。
いわば進軍記録です。
「人間らしい」コンピューターはどう振る舞うのか?
何故人間はそう振る舞わせるのか?
突き詰めていけば、コミュニケーションとは自己と様々な他者間の認識と伝達なのだろう。
いかんせん情報量が多すぎて、一回読んだだけでは頭の中で整理しきれていないのがくやしい。 -
チューリングテスト
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2012 10/20読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
テキストベースでの会話(チャット)だけで人かAIかを判定するチューリング・テストのコンテスト、ローブナー賞に、サクラの人間として参加した著者が、もっとも「人間らしい」と判断された「人間」に与えられる賞を獲得すべく、「人間らしさとは何か」を模索した過程と、コンテストの顛末を記した本。
実際にAIと比べて「人間らしくない」と判断されてしまう人間参加者も毎年いるとのことで、普通はたまたまコンテスト開催時に同時開催されている(というかメインの)学会参加者がやることが多いサクラを、著者は本気で勝ち抜こうと望む。
そうしていかに「人間らしい」と判断してもらうかを考えていくと、機械でできることの広がりによって人間らしさの捉え方が絶えず変わってきたことが見えてくる・・・。
筋もテーマも大変おもしろいんだが、面白すぎるせいかしばしば、本筋からどんどん脱線していって、かつそれが主軸に戻っているんだかいないんだかを見失うことがある。いささか冗長気味というか。それが人間らしさか?
結局、著者がたどり着いた結論は「相手の話に割り込む」とか「同時に(相手の応答を待たずに)文字を入力する」という戦術で、さてそれでどうなるかは・・・読んでのお楽しみか。
ダイジェスト版があればもっとわかりやすくなったかも。
最後の方のエントロピーのあたりは、脱線だけどかなり面白かったので、そこはまた別に一本書き上げてもいいのではないだろうか。 -
AIの性能を評価する「チューリングテスト」というものがあります。これは、テスターがAIと、サクラの人間とそれぞれテキストチャットをして、どちらが人間か?と聞き、AIにどれだけ票が入るか?というものです。
この大会はあくまでAIの性能評価であり、サクラの人間側は「自然に会話すればいいから」と言われるのですが 笑、
この作者は「何としてでもAIよりも俺との対話のほうが人間らしいと認めさせてやる!」という野望のもとに 笑、
人間らしい会話とは何か?
どうすればAIには出せない会話ができるのか?
を徹底的に調べ、対策を練っていきます。
人間らしい会話とは何か?今のAI開発の最前線はどうなっているのか?など、興味がある人にはきっと楽しく読めるはず。
(文系の僕でも楽しく読めました) -
内容の本質とは全く関係ないが、気に入った「法則」
「アンディとビルの法則」
アンディが与えしもの、ビルが奪い去れリ
Office 2007 on Windows Vista vs Office 2000 on Windows 2000 12倍のメモリーと3倍の処理スピードが要求されるが、実行スレッド数は直前のバージョンの二倍足らずである。
哲学ネタのところがあまり整理されていないのが、少々キズですが、全体的にチューリングテストの話から、これだけ話を広げられるのには感心。 本当はもう少しじっくりと楽しみたかった本ですが、図書館返却のため断念。 -
ルーティーンに陥ったときから、その仕事は機械に奪われている・・・・
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チューリングテストで人間と分かってもらうにはどうすれば良いか?というテーマを軸に様々な分野の話がつながって行くのが面白い(ごちゃごちゃした感じはあるけど)