文庫 良心をもたない人たち (草思社文庫 ス 1-1)

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794219299

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、世に存在する「サイコパス」と「良心」についてその原因と傾向、対処を記したものであり、非常に興味深い。社会背景が、個人主義的な世の中よりは、東アジアの儒教的背景のある社会においてはその比率は抑制される傾向になるようだ。
    『良心にもとづくように見える行動の多くが、まったくほかの動機―恐怖、世間体、自尊心、あるいはたんなる習慣―にうながされている。』「1.ジョーのジレンマ」より
    『100人の成人でつくられた社会があったとしよう、その中にサイコパスは四人いる―彼らに良心はない。それ以外の、良心をもつ九六人のうち、なんの疑いもなしに権威にしたがう者が六二.五パーセント。その権威者が、攻撃的で支配的なサイコパスである可能性も高い。残りの三六人が良心と、自分の行動の重荷を背負う強さをもった人たちだ。割合は三分の一強。勝ち目はゼロではないが、なかなか厳しい(組織内)』「3.良心が眠るとき」より
    『だれを信じるべきか判断するとき、忘れてはならないことがある。つねに悪意を働いたりひどく不適切な行動をする相手が、くり返しあなたの同情を買おうとしたら。警戒を要する』「6.良心をもたない人の見分け方」

  • 良心がない人たちのことなんて知ってどうするんだと思っていたけど、読んで正解でした。

    サイコパスはふつうの人とは全く違う価値観で生きている。なので、全く違う生き物として接するのがよさそうだ。できれば関わりあいたくないけれど。

  • サイコパス大図鑑。
    いるいるこういう人。
    関わらないこと、争わないこと、挑発に乗らないことが最上の策。
    職場でサイコパスな人物に退職の最後まで悩まされていたので、これを読んで対策が取れた。

  • 「良心をもたない人」の心の動きがどうなっていて、周りからどう見えているのかが何人かを例に解説されている。「サイコパス」や「搾取する人」にも多く重なる。

    でも僕はそもそも「良心をもつ人」「良心をもたない人」と分類すること自体に違和感を覚えた。「良心をもつ」には前提があると考えるからだ。
    それは「共感」や、今相手が感じているであろう「痛み」や「苦しみ」を想像できているかどうか。

    この本では後者がこの前提を持ち得ないという主張だけど、この「良心が芽生える前段階(良心をもたない状態)」は誰にでもあると考えている。

    目を見開き、耳を傾けて、相手を理解しようとする努力、試みをした後に初めて、「It」が人格のある「You」や「He」「She」あるいは「They」に変換されるのである。

    政治家やタレントなどの公人や隣国民をディスったり、上から目線で指図したがる気持ちや言動は誰にでもある。これはその相手を消費コンテンツの「It」として扱っていると生じる。SNSの普及でますます人がコンテンツ化しているので自分こそが「良心をもたない人」になってしまってないか?と自問しなくてはいけないと思った。


  • ざっくりとした内容


    良心をもたない人(サイコパス)の話。

    いろいろな特徴を持ったサイコパスがいるが、
    共通している点として、

    ・一貫して無責任
    ・愛がわからない
    ・勝つことにこだわる

    などがあるらしい。

    そんな異常なやつなんて、すぐに気づくよ。と思うだろうが、一見してわからないのがサイコパス。

    わかったら、すぐに距離を取るのが最善らしい。


    感想

     アメリカには25人に1人がサイコパス的傾向を持
     った人がいるらしい。

     幸いなことに、東アジアの地域でその割合がかな
     り低いとのことで安心した。

     
    こんな人にオススメ

    ・自分がサイコパスなんじゃないか?と思ってる
     人。
    ・サイコパスがどんな特徴を持つのか知りたい人。
    ・なぜ、サイコパスがいるの?と思ってる人。


  • 読了。
    サイコパスが学術的にきちんとカテゴライズされ、且つそれが広く認知されたのはごく最近なので、世間から単なるエゴイスト?として看過され、それによって生まれた被害者は無数だろう。
    その発現率が想像よりも遥かに多い事には驚きを隠せないが、あの人とかあの人はそうだったかもな…というのは市井の私でも数件思い浮かぶ(笑)。
    太古よりその様な人が一定数存在し、現在に至るまで淘汰されることなく、寧ろ社会的に成功している人も多いという現実に鑑みると、人類の生存戦略としては正しいのかもしれない。
    意図的にサイコパスを避けることは難しいのかもしれないが、かなりの割合でそういうカテゴリーの人間が存在する、という事実を知っているか否かはやはり大きい。

  • 作者がセラピーをしながら、「このひとは25人の内の1人のサイコパスだな、こういう人達の被害を受けないための本を書こう」と思っていたのかとうすら寒いですね。ラベリングして疎外しようとする方が当のサイコパスには怖いです

  • 周りに心当たりのある方がいたので…買ってみました。
    全体的にとても分かりやすく解説されていたと思います。
    ただ…最後の方は少し難しかったかな。
    とても参考になりました。

  • 一度は耳にした事がある『サイコパス』
    でも、きちんとした知識を持っている人は少ない
    自分も漠然としたイメージしかなかった。
    .
    『良心』とは何なのか
    誰もが持っているものなのか
    環境で培われていくものなのか

  • 非常に素晴らしい書籍。一見魅力的な外見・愛想の良さに対し、冷徹な中身を併せ持つ同僚に対して抱いていた違和感が解けた。良心を持つ自分は、良心の無い人より損をしているなと思うことも多かったが自分は今のやり方で良いのだと認識出来た。スカッとする本。翻訳の文章に勢いがあるのも良い。和訳してくれて感謝している。

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著者プロフィール

マーサ・スタウト(Martha Stout)
1953年生まれ。米国のマクリーン精神病院で研修、ストーニーブルック大学で博士号取得。ハーバード・メディカルスクール精神医学部で、心理セラピストとして25年以上患者の治療続ける。現在はボストンで開業、臨床心理学者として心的外傷、心的外傷後ストレス障害、自殺念慮を専門にカウンセリングを行っている。前著『良心をもたない人たち』(草思社)は「ベターライフ・アワード」を受賞

「2020年 『良心をもたない人たちへの対処法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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