数学小説 確固たる曖昧さ

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制作 : Gaurav Suri  Hartosh Singh Bal  東江 一紀 
  • 草思社 (2013年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794219558

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数学小説 確固たる曖昧さの感想・レビュー・書評

  • 尊敬する上司の紹介で。
    興奮して、何度も溜息が漏れる。

    数学的素養がなくても、途轍もないものを見せられた気になり、タイトルに大いに納得する。

    数学と宗教と哲学を編む物語。

    ・無限、集合論、ユークリッド幾何学と非ユークリッド幾何学、公理群

    ◯信ずるものを持たずして何かを始めることは不可能

    ◯人間は永続的かつ真なるものを、自分の心に語りかけるものを、意味あるものを探し求める。ただし、意味は、いかなる色合いのものであれ、信じることによってのみもたらされる

    ・公理の不確かさを認めた上でそれを信じること、公理の上に積み上げる定理に対する精確さと謙虚かつ徹底した探究心

  • 本当に確かなものとはどこに存在するのか?その源泉を数学と宗教に求めた2人の男の議論を主軸にしながら、確かなものは本当に存在するのか、しないのであれば、我々はどう生きるべきなのかを描き出す傑作。

    特筆すべきはタイトルに「数学小説」とあるように、ユークリッド幾何学と集合論の平易な議論が紹介され、いかに確かな公理から確かな定理を構築していくかを読者は理解することができる。平凡な公理から始まり様々な定理がバベルの塔さながら構築されていく様は数学の面白さを知る上でも読み応えは十分。

  • 数学小説.面白いといえば面白いがちょっと長い.
    スタンフォードのインド人経済学部生が無限の数え方から始まる集合論の講義を聴く傍ら,自分の祖父のアメリカでの軌跡を探る.そこにはユークリッド幾何の公理をめぐる議論が加わり話しは二重の螺旋を描きながら進む.
    数学レベルは大学数学科1年生くらいか.
    まあ小説としてはいいんだけど,名門スタンフォードの学生が,文系の学生とはいえ,興味を持ったことを自分で本を読んだりせずにどこまでも受け身なのがちょっと嘘くさい.

  • 数学の理解はちょいちょい怪しいけど、面白かった。
    生涯にわたって自分の道となる分野と。
    好ましき先達に、友に、伴侶に。
    そして畑違いでも、対話すれば分かる相手と出会うこと。
    その奇跡がまぶしい。

    これ逆に書けるかっつったらどうなのかしら。
    最高裁判所判事の憂鬱を友達の数学者がほどく小説って書けるかな。

  • だめだ、ぜんぜんまとめられない(笑)けど面白かった。
    数学的内容については、前半の幾何学のあたりまではなんとかついていけたけど、「べき集合」のあたりで脱落。
    でもユークリッド/非ユークリッド幾何学の意義を初めて知ったし、確かさを希求する人類の長い歩みについても、おぼろげながら理解することができた。

    その確かさの希求において、数学と宗教を対峙させたのが秀逸。主人公ラーヴィの祖父で、幼い頃ラーヴィに数学への愛を植え付けた「バウジ」が、若かりしころアメリカに留学してキリスト教を否定した罪(涜神罪)で逮捕されたとき、判事と面談した記録を孫のラーヴィがたどるという形をとっている。自分がいかに確実に証明されたものしか受けいれないかをピタゴラスやユークリッドを通じて判事に伝えようとするバウジ。それを読む孫のラーヴィもまた、将来の選択という岐路にたたされ、不確かさに直面している。
    数学的内容がすべて理解できたらもっと面白いのだろうけど、十分に楽しめた。これがごく自然な、でも明解な日本語で訳されたことにもあらためて驚嘆する。(過去の数学者の日記で、一人称が全部違うなど、訳者も楽しんで訳したであろうことが伝わってくる。)

  • 抜群に面白かった。同じような書籍はないのだろうか。
    これを面白がれるというのは、多少の変態性があるのかもしれない。

  • 『人間は感覚にもとづいて物事を決めることを大いに好む。広告に影響されてものを買い、生まれ育った文化に従って指示政党を選び、意見はいろいろ持っていても、そのほとんどが非合理的な思考の産物だ』

    いわゆる信仰心と呼ばれるものを持たないと自分では意識しているけれど、何も信じていないと言い切れる自信も一方でまたない。鉄腕アトムではないけれど、60年代生まれの自分は科学の子であって、科学的な思考を前提条件なしに受け入れかねない志向がある。例えその思考の過程を全て追従出来なくとも。それを受け入れるということは、限りなく信仰に近い感覚なのだと自覚しつつ。

    そんなことをつらつらと考えたくなる本だと思う。常日頃、1+1=2というレベルから理解を積み重ねたいと思う自分の志向に訴えるものが、この本の中には確かにある。しかし、それでは1+1=2が本当に成り立つと寸分の隙間もなく証明できるのか、と問われると、ホワイトヘッドとラッセルではない自分は、宗教的な信仰との差が一気に縮まるのを実感する。結局は、他人のいうことを受け入れていることなのだ、と観念してしまう。

    そこまでは、考えたことのある話。さて、それではそんなジレンマに陥った後、科学の子に残された選択肢は何か、それをある意味で、ナイーヴに、そして、楽観的かつ希望的に語ってみせるのがこの本だ。もちろん、登場人物は典型的な志向のパターンを代表するように敢えて極端な人格を与えられている。それでも、各々の人格がある事を主張する時、その都度、ああ、そういう考え方もできるよね、と思ってしまうのは、自分の中に揺れ動く感情が存在する証拠。そして、最後にたどり着く達観は苦いけれど案外と心地よい思考の土台を与えてくれる。結局、自分は真に至る道に美を求めるものではなく、善を求めるもこなのだと改めて思うばかりなり。

  • 請求記号:933/Sur
    資料ID:50069978
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  • 数学ガールのアメリカ版というところか。

    ・有限の計算規則を用いて、無限数列の和を計算することはできない。だから、最後が・・・となっている数列の式を加減乗除することははばかられるが、しかし最後の・・・をnを含む文字式とすれば有限個の項の数列となるので、ふつうに加減乗除ができる。
    ・自然数の濃度=有理数の濃度。
    ・実数の濃度>自然数の濃度。
    ・無限集合のべき集合は元の集合より大きい。ゆえに、無限に多くのレベルの無限が存在する。

  • たしかに数学小説である。フィクションなのに、そのベースになる考え方は証明を中心とした厳密な数学。

    この小説は、深いものがある。そして、数学の面白さと難しさも。

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数学小説 確固たる曖昧さの作品紹介

数学は人生に、絶対的真理を与えるか?ピタゴラスやユークリッドから、ガウスやリーマン、カントールまで、数学の歩みをたどるとともに、この世界の"確かさ"を探究する、傑作数学小説。

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