- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794219787
感想・レビュー・書評
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期待しすぎたためか、つまらない内容に辟易しながら読み進めた。
まわりくどく、他の事例の引用が長々しい。
演繹法的な説明ではなく、陳腐な帰納法での説明なので、まどろっこしくてたまらない。
結局何が言いたいのか?とそれでも我慢して読み進めていくが、結局陳腐な誰でも知っているような事柄の紹介に終わる。
あまり薦められない本である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
進化論的な自然淘汰の観点から、ヒトの性の特殊性について論じた本。
ヒトの性には、他の動物と違い、一年中セックス可能、閉経がある、性行動を他人から隠す等の特徴がある。
それらを、ヒトの生態に照らして、自然淘汰がどのように進んだ結果、そのような結果になったのか、といった感じで話が進む。
一応、説明に筋は通っている感じはするのだが、どうも腑に落ちた感が少なく、面白く読めなかった。
その理由を考えてみると、自然淘汰の可能性が無数にある中で、本書のような結果になる必然性が、いまいち読み取れなかったのが原因だと思った。
例えば、人間の子供は、動物の子供に比べて生育に労力がかかり、それが、人間が一年中セックス可能な理由、閉経が無い理由に繋がっていくと思うのだが、では、そのように特異な性の特徴を獲得しなければならないほどに問題を抱えた人間の生育期間が、短縮の方向に淘汰されなかったのはなぜなのか、など。
高い知能の代償、という気はするのだが、霊長類にも同じような性の特徴をそなえた種があるという話もあったので、その辺をもう少し踏み込んで論じてくれたら、面白くなったのに、という気がする。
全体的に、議論が浅いという感じだろうか。
遺伝子を残すという行為に対する、オスとメスが投資する労力の違いによる対立構造という考え方など、初めて知って面白いと感じた部分も随所にあったのだが、全体的には、前述のような箇所が個人的に目に付き、読了するのが辛かった。
面白くなくて斜め読みした結果の誤読という気もする。
この人の本は合わないというだけかも。 -
『銃•病原菌•鉄』読破の勢いで、この本にも手を出してみる。
二種類の「性」が私たちにもたらすものは、といったような内容。
「人間」は研究対象として制約があるから当然ではあるが、動物を対象とした観察•実験の話を引き合いとして出す割合が多く、少し間延びしている。
出版社が『銃•〜』のヒット効果のあるうちに慌てて文庫化した、という感じがする。
なぜそうなったか、「究極の要因」を考えることの面白さは詰まっている。
視野が広がった。