文庫 定年後のリアル (草思社文庫 せ 1-1)

著者 :
  • 草思社
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本棚登録 : 187
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794219930

作品紹介・あらすじ

◆お金、仕事、健康、生きがい……退職したら、どんな毎日が待っている?
不況のいま、いかにして生きていくかという問題がクローズアップされている。とくに定年退職が迫った人に対してメディアは、定年後は「6,000万円の貯えが必要」「孤独死にご用心」など多くの不安を語る。

しかし本書の著者は、さまざまな定年本、定年者たちの生き方を引き合いに出しながら、メディアが煽る「不安」など、実際にはそれほど思いわずらう必要もないことがほとんどだという。いまの日本人は、過剰な情報に振り回され、不必要なほど不安になってしまっているというのだ。

たとえば貯蓄や健康状態の「平均」がどの程度かといった話が盛んに語られ、自らを引き比べて不全感を増している人も多いが、現実には「平均」は自分の生き方とはあまり関係のない情報であり、気にしすぎる意味はない。

またアンチエイジングや若さを保つ方法が日々声高に喧伝されているが、本来、人は年を取ったら取ったなりの自分を認めていくのが自然であり、若さを過度に持ち上げる価値観自体がいびつだともいえる。

◆死ぬまでの「生活資金」なんて、なくたって大丈夫
著者はそうした風潮を批判していきながら、実体のない「20年先」までの不安などに振り回される必要はないと説く。
人は死ぬのが当たり前、年を取ったら衰えるのが当たり前であり、そうした事実を正面から受け入れて、初めて本当の人生に出会える。そのうえで一日一日から得られる人生の喜びを享受して生きていくのが、定年後の理想的な生き方だという。

さまざまな不安の正体を解き明かし、心をほっとラクにしてくれる本書、人生の後半戦をしっかりと地に足をつけて生きていくために必読の1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、勢古浩爾さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    勢古 浩爾(せこ こうじ、1947年 - )は、日本の評論家、エッセイスト。

    大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒、明治大学大学院政治学修士課程修了。橋川文三に師事。大学院修了後、洋書輸入会社に勤務。「石原吉郎論」で開高健賞候補。その後文筆活動に入り、『まれに見るバカ』がベストセラーとなる。2006年退社し文筆に専念。新書による人生論が多かったが、2009年本格評論『大和よ武蔵よ』を刊行。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    やがて来る「定年後」。誰もが抱く不安は「お金は、生きがいは、健康は」の三大テーマ。メディアは経済や健康の不安を煽るばかりだが、焦ったところでどうする術もない。誰だって「老人」になるのは初体験。終わりゆく人生、老いゆく体とどう向き合い、一日一日の喜びを感じながら軽やかに生きられるか。その答えはたぶん自分の中にある。もう人生のレールは敷かれていない。人生のレールが消えることで、義務や目標から解放されるときでもある。等身大の自分のリアルを受け入れて、のほほんと生きていくための一冊。

    ---引用終了


    本作を書かれた時の著者の年齢は62歳位だったようです。
    現在の私の年齢が62歳なので、共感する部分が多い読書になりました。

    私の場合は、60歳で定年になり、同じ会社で嘱託社員として働き続けています。
    小さな会社なので、定年前と定年後では、給料、職種等は変わらず。
    変わったのは、半年ごとに契約更新をすることくらいですか、今のところは。

    • seiyan36さん
      りまのさん
      とても丁寧なコメント、ありがとうございます。
      お父様、70歳まで働かれたとのこと。
      私の父も、定年後はパートでしたが、70...
      りまのさん
      とても丁寧なコメント、ありがとうございます。
      お父様、70歳まで働かれたとのこと。
      私の父も、定年後はパートでしたが、70歳近くまで働いていました。
      自分はまだまだと、励みになります。

      りまのさんの一日一日が、良い体調でありますように、お祈りします。
      2023/04/10
    • りまのさん
      seiyan36さん
      おはようございます。
      『ソナチネの木』に、いいねをありがとうございます。
      この本は、私にとって、特別な思い入れのある、...
      seiyan36さん
      おはようございます。
      『ソナチネの木』に、いいねをありがとうございます。
      この本は、私にとって、特別な思い入れのある、大好きな絵本なので、拙いレビューにいいねをいただいて、とっても嬉しかったです。
      seiyan36さんの今日という日が、良き日になりますように!
      2023/04/11
    • seiyan36さん
      りまのさん
      おはようございます。
      今から伺います。
      りまのさん
      おはようございます。
      今から伺います。
      2023/04/11
  • この人はいつも目線が庶民なので、読んでいて共感するところも多い。この本は巷にあふれる観念的ワイドショーの類を一掃している。自分の感じて体験していることを書いている。もちろん孫引きもしている。それをことごとく論破している、。庶民は強いのだ。そして続くリアル本が続く。それも読んでみようと思う。

  • 定年を迎えた著者の現実をレポートした本。学者や評論家の書く理想論的な定年本とは違う普通のサラリーマンのリアルな生活を紹介する。やや投げ遣りな感じの感想、独り言に現実感があって良い。会社の仕事という暇潰しが無くなると、空いた時間をどう使うかで苦労するらしい。定年後も会社に居る時と同じように、日課を持つことが必要だと思う。

  •  ITmediaの定年バカというコラムが斜に構えておもしろかったので、買って読む気はしなかったものの借りて読んだ。予想通り買わなくて正解。こんなに中身のない本も珍しい。徹頭徹尾正解はない、自分は自分、自分で考えるしかない、というスタンス。それだけで本一冊になるというのが驚きだ。著者の持論は数ページ読めばすぐにわかってしまい、あとは延々とその繰り返し。あまたある定年後指南本へのアンチテーゼというのはわかるが、最初からそんなものは信用していない者からすれば、何をいまさらという内容でしかないし、本気で生き方の指針を求めている人はそもそもこんな時間の無駄本は手に取らないだろう。すなわち感心して読む読者はいないということになる。だまされて買ったお人よしがもしいたらお気の毒。

  • 2015/11/3なかなか面白かった。★4

  • "この方の文章が好きだなぁ
    勢古浩爾さん。定年後のサンデー毎日をつづっている。毎日が日曜日なんてうらやましいと今は思うが、本書を読むと、そんなことはないことがよくわかる。
    月曜日から土曜日があるからこその日曜日。
    肩ひじ張らない雰囲気が共感を呼ぶのだと思う。

    自分が65歳になったころ、どんな生活をしているのだろう??"

  • 読む順番が逆になってしまった。

  • 自分の定年退職後や老後を過大問題視しなくていいのではないか、ということ

  • 20161231 タイトルに惹かれて買ってしまった。期待してなかった分、読んで安心できた。結局は自分がどうしたいかなのだという事で割り切れる。

  • んー…まあ、可もなく不可もなくといったところですかね…自分はこの著者のこと知らんのですけれども、まあ、中小零細のサラリーマンだった人? みたいですねぇ…なぜそんなどこにでもいるような人が本を出せたのか…と言ったら失礼ですねっ 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    自分もまあ、この人と同じようにあまり選択せずに人生をやってきたというか、行き当たりばったりというかね、この人と同じように20歳の頃、やりたいこともなかったし…で、なんとなく非正規雇用として働き続けて現在に至ると…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    著者は今現在62歳だそうですけれども…そして、僕は30代の入り口に降り立ったくらいの年齢なんですけれども…それでももう僕も著者と同じくらい物欲というものが無くて死にたい…。

    資本主義は人の物欲を煽ることで成り立っているのだ! ってくらいに物欲至上主義がこの世の中には蔓延っていると信じて疑わない僕ですけれども、そんな僕からしたらもうこんな世の中には未練なぞ無い…死にたい…。

    ↑って実際に線路とかに飛び込んじゃったらアレですけれどもねぇ…うーん、まあ、この本が(人生の!)役に立つことはおそらく無いのでしょうけれどもアレですね、あ、この人、僕と同じ考えだ…みたいに世の中には自分と似た人もいるんだなぁ…くらいの共感は得られるんじゃないかな…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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著者プロフィール

1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に入社したが2006年に退社、執筆活動に専念。「ふつうの人」の立場から「自分」が生きていくことの意味を問いつづけ、『まれに見るバカ』(洋泉社・新書y)で話題に。その後も『アマチュア論。』(ミシマ社)、『会社員の父から息子へ』(ちくま新書)、『定年後のリアル』(草思社文庫)など著書多数。

「2017年 『ウソつきの国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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