東大教授が教える独学勉強法

著者 :
  • 草思社
3.32
  • (29)
  • (82)
  • (101)
  • (41)
  • (8)
本棚登録 : 1207
感想 : 118
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794220646

作品紹介・あらすじ

高校に行かず大学は通信制、独学で東大経済学部教授になった著者が教える究極の勉強法。テーマ設定から資料収集、本の読み方、ノート・メモのとり方、成果のアウトプットまで自分一人でできる本格的な勉強のコツが身に付く一冊。学者・研究者になりたい人はもとより、教養を深めたい人、趣味を究めたい人、資格試験合格を目指す人、もう一度学び直したい人等々、あらゆる人の知識欲と向学心に応える一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。

    この本の著者は大学入試も、模試も受けたことがなく、予備校に行ったこともないのに今は大学で教えているそうです。

    本書で身につけてほしい勉強法
    1明確なゴールのある勉強(受験・資格試験等の勉強)
    2教養を身につけるための勉強
    3答えのない問いに自分の答えを見つける勉強
    のうち3の勉強だそうです。
    3の勉強が本来大学で身につける勉強であり本質的な勉強であり学問だそうです。
    3のタイプの勉強を身につけていれば、人生のあらゆるところで役に立つそうです。

    ・「とりあえずやってみる」というのが独学を始めるうえでの大きなポイント。
    ある程度自分が興味のあるものを決めて、まずは少しでも勉強してみることが大事。
    ・まずはとっかかりの入門書を3冊買ってみよう。
    入門書・概説書は2段ステップで読む。
    2回目は、少し疑問を持ちながらもう一度読む。
    マーカーを引くより繰り返し読んだ方が身につく。
    ・本を読むときに著者の立場と読者の立場を行ったり来たりして自問自答しながら読んでいく。
    例えばまず読者の立場で「こういうときはどうなんでしょう?」と問いかけ、次に著者の立場になって考えて、「それはこういう理由なので、そのときは同じことが成り立つ」と答える。さらにもう一回読者の立場から「じゃあ、次にこういう場合はどうなるのか」と、問いと答えを繰り返す。
    ・専門書は絶えずけんかを売りながら読む。
    論文を1本読むなら、その著者に反論できる部分を最低3か所以上はみつけるように。
    ・勉強とは加工業のようなもの。
    加工するうえで一番大切な工程が自分の中で「熟成させる」という過程だ。
    ・歴史学なら歴史上の出来事の中から「普遍的な接点」を見出すことが重要です。
    ・まったく違う分野のことを三つも四つも勉強するのは大変です。つながりのあることを二つくらい選ぶのがよい。
    ・学びの成果をアウトプットする。
    自分の言葉で書くという点。
    何らかの加工作業がないとインプットと違うアウトプットは生み出せない。独りよがりであろうと何であろうと、自分で考えて自分の言葉で文章を書いてみること。

  • いわゆる入門書...概要を学ぶのが苦手で、興味を引く各論ばかりほじくってしまう自分の偏った思考回路。今まではこれはこれでいいと思ってきたけれど、やっぱり改めたいと考えさせられた。
    参考になったのは下記のとおり。

    ---
    自分の理解パターンを把握して、勉強のコツをつかもう。例としては、理解が速くて深めるのには時間がかかるタイプ、理解に時間がかかるが深く理解できるタイプ。教師や参考書の説明の仕方と自分の理解の相性というものがる。納得できる説明の仕方をしている本を探して、を繰り返していくと、徐々に自分の理解パターンがわかってくる

    目標を立てよう。何の情報を知りたいのかではなくて、それを使って何がわかるようになりたいのか、何をしたいのかという、情報の先にあるものを、できるだけ考えてみること。
    ゴールの方向性を決めておくこと。というのも、目標を考える際、ある程度客観的な目で、一旦立ち止まって自分の立ち位置を見直すことになる。自分の目指したい地点を探すためにぶらぶら歩いたり少し戻ったりするのもよいけれど、それでも、最初からゴールを考えない散歩とは、見かけは同じようにぶらぶら歩いていても、その内容や本人の意識は全く違ってくる。キメ過ぎない仮の目標が大事である。

    まず入門書を3冊読んでみよう。

    書くと忘れる、書くのは脳から消す作業。
    メモというのは、断片的な情報を忘れないように保存したり、すでにわかっていることを整理したりするときに有効である。本を読んで理解しようというときには、あまり有効ではない。
    読んだ本の要点をまとめたりしない。深く掘り下げて読もうとすると、すぐに短くまとめたりできないことがわかるだろう。単に字面を追うよりも、本当にその著者が何を考えているか、またどういう思想を持っているのかをわかった方が、本当の意味で役に立つ勉強になる。(2度読むのがおすすめ。)

    学問の意義は、その情報を応用したり普遍化したりして(=熟成させ)実際の役に立てることにある。

    アウトプットは自分の言葉でやさしく書くべし。

  • 「勉強」とは生きていくための知恵を身に付けるためにするもの。人に強制されるものでもなく、自分が知りたいことを知り、自分の頭で考え、熟成させ、実際に役立てる事で意味をなす。
    そのためには、自分に合った勉強法を見つけ、自分のペースで楽しく学ぶことが大事だが「独学」ならそれが出来る。「独学」なら後戻りや方向転換をする事も可能とのこと。しかし時には「独学」のサポートとして、大学のクラスに顔を出したり、カルチャーセンターに通うことも薦めている。

    今現在、具体的に何かの勉強をしようと思ってはないが、資格勉強や学生の勉強に限らず、趣味や興味がある分野の知識を広める際のヒントになる一冊だった。「とりあえずいろいろなことをやってみる」この言葉に背中を押された。

  • 独学を例に、自分で物事を考えることの大切さを説いた本。ついつい、答えを求めがちな傾向を反省させられた。とはいえ、著者のように独学で学問を極めるのはなかなか難しく、共感できるところが少なかった。

  • 本書は独学のソフトな心構えと方法論について書かれた本である。本書を読むことによって独学をする勇気が出てくるし、既に独学をしている人にとっても、独学をよりよいものにするためのコツやヒント等を解説しており有益な本であると思う。

  • 「東大教授が教える知的に考える練習」が出版されて先に読んだので、シリーズの前著を読んでみた。

    知的な考えるがネット時代に「考える」ということに焦点を当てているのに対して、本書は「正解にたどり着こう(明確な目標達成や教養をつける)」という日本式の勉強よりも、答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強方法を説いている本だと言える。

    そのための独学(考えること)の大切さ、独学のメリット、独学の方法(テーマの立て方やちょっとしたコツ)、新しい分野への取り掛かり方、アウトプットの重要性、を易しく説いている。

    結果的には、日本式の正解を問う勉強方法→論文などの研究系の勉強方法 に変化させる面も強いと思った。日本式の勉強方法に慣れている人には一読の価値はあると思う。

  • 「答えのない問題に対するアプローチの仕方」に関して、自分なりに意識しながら生きてきたつもりでしたが、今一度考えさせられました。
    勉強とは本来独学であるべきあり、
    知識や教養を身につけるための勉強もその先には答えのない問いに自分なりの答えを見つけるという目標があるほうがよいという著者の主張は大学で研究というものに携わったことのある人間ならよくわかることだと思います。

    完璧主義の話はドキッとしました。
    どんな本を読んでも完璧主義であるべきだ!と書かれているものはないように思います。
    初志貫徹しようとするのは素晴らしいことですが、柔軟な思考はもっと重要なのかもしれないと感じました。

    走りながら情報や資料を集めていくという姿勢も真似したいです。

  • まあまあ。いわゆる資格試験や受験勉強などのテクニックを教えるハウツー本ではなく、「なぜ勉強するのか」「勉強とは何か」という根本的なところを突き詰めながら、答えのない問いを自らの内側に生み出させ、それを深化させていくために必要な姿勢(視点)を持つ方法について述べられている。ポイントは「とりあえずやってみる」「疑う」「アウトプットする」など。わかりやすいが、別段これといって面白い項目も見つけられなかったのがちょっと残念ではあった。

  • ・独学の具体的な方法ではなく、その姿勢や根本的な思考方法が参考になる。

    ・知識を普遍化させ、常に応用できないかを思考しながら勉強する。

  • 勉強法を求めて読んではいけないと言う、自己矛盾にはらんだ本。心得としては分かる。そんなに新発見があるわけでもなく、得るものは少なかった。著者が外国にいたのは分かったが、幾度となく同じことが書かれていて、少々煩わしい。独学せざるを得なかったのは分かるが、少々押しつけがましい感じもした。合う人だけ参考にすればよい。

全118件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

柳川範之(やながわ・のりゆき)東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授。中学卒業後、父親の海外転勤にともないブラジルへ。ブラジルでは高校に行かずに独学生活を送る。大検を受け慶應義塾大学経済学部通信教育課程へ入学。大学時代はシンガポールで通信教育を受けながら独学生活を続ける。大学を卒業後、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。主な著書に『法と企業行動の経済分析』(第50回日経・経済図書文化賞受賞、日本経済新聞社)、『40歳からの会社に頼らない働き方』(ちくま新書)、『東大教授が教える独学勉強法』『東大教授が教える知的に考える練習』(草思社)などがある。

「2023年 『東大教授が教える 「自分の頭で考える力」の鍛え方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柳川範之の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャレド・ダイア...
三浦 しをん
佐々木 圭一
佐藤 優
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×