東大教授が教える独学勉強法 (草思社文庫)

著者 :
  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794223074

作品紹介・あらすじ

勉強に対する考え方が劇的に変わる!「挫折した」「続かない」すべての人へ。高校へ行かず通信制大学から東大教授になった著者による、今本当に必要な学び方 。ベストセラーとなった独学勉強法がついに文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • マイペースでずぼらな独学術というのが第一印象です。
    目標達成は3割でよしとする、「のんびり感」満載です。

    目に留まった言葉は以下です。

    ・自分にあったペースで学んでいくことがとても大切
    ・何かを学ぶというのは、人に強制されるものではなく、自分が知りたいことを知り、自分の頭で考えること
    ・情報を選択したり、編集したりと情報を加工しています。大切なのは情報を自分の中で熟成させること
    ・独学なら良くも悪くも試行錯誤がつきものである
    ・世の中の問題には答えがない ⇒ 答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強をする
    ・読んでもなかなか頭に入らないのであれば、どんどんテキストを換えてもいい
    ・じっくり考えてもわからなかったら、飛ばして先に進めていい
    ・進んで不具合があれば、その度に、方向性を修正して、良さそうな方向に進んでいくというプロセスを積み重ねていく
    ・関心のあるテーマがきまったら、学びたい分野の資料を集めることから始めよう
    ・資料はあまりたくさん集めないように、走りながら情報や資料を揃えて、その都度分析する
    ・なにより、集めるよりもじっくり考えることこそ重要である
    ・とっかかりには、入門書をまず3冊読もう
    ・本に書かれていることは参考とするが、信じてはいけない。読んだだけでは学んだことにはならない
    ・本は、すくなくとも2回読むこと。1回目は全体を読み、2回目は興味ある部分を重点的に読む
    ・要点をまとめたり、全体の要約は読解の近道というが、そうではない。それは、表面をうまくまとめるために、内容を深く追わないクセをつけないためにだ。
    ・入門書や概説書を読んだら、専門書をよもう。入門書では大まかな考え方や勘所はわかるが、学問のおもしろさは、専門書ではないとわからない
    ・専門書は全部読む必要はない、関心がもてて、食いつけるところをよめばいい
    ・学問を現実問題に役立てる際の能力、それは、応用するということ、応用とは自分なりの答えを出すということだ。
    ・文章を書くには、自分の頭を整理すること。自分の言葉で書くこと、そして、できるだけやさしく書くことだ。

    目次

    はじめに
    第1章 新しい「勉強」が必要とされる時代
    第2章 なぜ独学が、一番身につく勉強法なのか
    第3章 勉強をはじめる前ににやっておきたいこと
    第4章 新しい分野に、どう取りかかり、学びを深めていくか
    第5章 学びを自分の中で、熟成・加工し、成果をアウトプットする
    あとがき
    文庫版のためのあとがき

    ISBN:9784794223074
    出版社:草思社
    判型:文庫
    ページ数:192ページ
    定価:650円(本体)
    発行年月日:2019年02月27日第10刷

  • 私にとってすごく目から鱗が多い本でした
    独学の仕方、考え方
    なぜ勉強するのか 勉強の目的は何か
    本の読み方
    メモの取り方

    メモを取った瞬間から、記憶から消える
    というのは刺さりました、、
    ノートにまとめたりするのが好きなタイプなので、、。

    少し字も大きめなので、小学校高学年くらいになったら子供にも読んでもらいたいと思いました!

  • 慶應大学の通信課程で経済学部を卒業し東大大学院を経て研究者になった著者が独学の良さを書いた本でした。

    講義形式の勉強も実りはありますが、勉強とは本来自分の頭で考えることだという著者の言葉を読み、独学形式が一番身につくベストの勉強方法なのかもしれない、と思いました。

    慶應大学通信課程は入るのは簡単で卒業するのは大変だと聞きます。見方によっては、卒業時に通学形式の学生と通信形式の学生を比べた場合、通信形式の学生の方が実ははるかに役立つ「本来の勉強」をして卒業できるのではないか、と思いました。


    以下、印象に残った部分です。


    <なぜ勉強するのか>
    勉強の本質は考えること。
    決めたり選んだりするときの基準を与えてくれるのが学問の意義。得た知識や情報を使って選択の基準にする。
    学問を身につけた人は情報に振り回されない。
    答えのある問いの勉強ではなく、答えのない問いの勉強がこれからは求められる。
    自分の中で考えを「熟成」させることが大事
    何かを学ぶということは人に強制されるものではなく自分が知りたいことを知り自分の頭で考えること。これはかなり楽しいこと。
    これからは自ら学び、自分の頭で考える時代。


    <独学のすすめ>
    独学のメリットは自分のペースで勉強できること。理解の速さや理解の順番は人によって大きく違う。学校での勉強は、速くマスターできる人の方が優秀で頭がよいと判断されることが多い。しかし、筆者の教授としての長年の経験から、理解が早さと理解の質は必ずしも一致しない。東大の院生ですらタイプはまちまち。講義のスピードについていけず自分はだめだと思うのはもったいない、ただ、そのスピードや順番が自分に合わなかっただけ。自分の理解にあった方法を選べばよく、自分のペースで理解を進めていけばよい。最初は理解が悪くてもあとで素晴らしい成果をあげる生徒もいる。

    試験の成績が悪く自分は頭が悪いのかもしれない、と思っている人も、実は理解のタイプが合わなかっただけかもしれない。独学は自分の理解できるスピードと方法で自分のペースで組み立てて学習をすることができる。
    「とりあえずやってみる」「ぶらぶら歩きまわる」という姿勢が独学をする上でのポイント。

  • 読みやすい。大学生などにはかなりおすすめですね。批判的に読書することなど学ぶことの基本が書かれている。本書は独学の中でも資格取得のための勉強などではなく、学問のための独学をテーマにしている。独学で東大教授になっている筆者の経験は説得力がある。

  • 専門家でも意見が割れているような問題に、疑問や不安を抱いて、不安な時には学ぶに限るよね、と学び始めて、そしてさらに沼にはまっていっている。
    「学び方」のヒントを得たくなり、手に取った。kobo。
    最近よく耳にする「抽象と具体を行き来する」「アウトプットせよ」という話に通じることも多く、やはりそこが大切なんだよなと改めて思った。アウトプットの場、どうしたものか。
    答えの無い問い、問いの角度も様々な、今抱いている問いに、どう自分なりに学んでいけば良いのか、向き合っていけば良いのかのヒントが散りばめられていた。実践あるのみ。2021/2/1

  • 趣味の勉強を進める前に読んでおこうと買った本。
    ・簡単な入門書を数冊、複数回読む
    ・独学と言えど仲間がいると捗る
    ・インプット後、熟成させるのが大事

    物知りなことと、教養が深いことはベツモノって
    誰かも言ってたな。。

    独学でお勉強がんばろ( •̀ᴗ•́ )و ̑̑

  • 難しいことを学ぶときはわからないことをだめだと思わずに、わからないことがわかった!くらいの気持ちでいられるとよい。
    本に書かれていることがこの世の真理ではないので、批判的に読むのがよい。(再読)
    とりあえず始めてみて、やりながら物や情報を集めていく。
    この3つがとくに参考になりました。
    自分の考え、感想をいつも考えながら本を読み、それを自分の言葉にするのが大切で、それがいかに難しいかということをこの文章を書きながら実感しています。
    日々の訓練が大切ですね〜

  • 東大教授の著者が経験してきた独学の大切さとコツを詰め込んだ一冊。父の仕事の関係で海外生活が長かった著者。現地の高校に言語の関係で行けず、大学でも通信教育課程で学び続けてきた著者ならではの独学哲学は、勉強の本質を突くものとなっている。答えがある問題に慣れすぎているという話はなるほどと思った。

    「学問に限らず、世の中のほとんどのことについて、何が正解なのかよくわかっていないのです。だから、仕事においても、生活においても、本当に重要なのは、正解のない問題にぶつかったときに、自分なりに答えを出そうとして考えていくことだと思うのです。

    この本で書かれているのは、画期的な暗記法とか成功するための秘訣ではない。学ぶことの楽しさや、それをどうやって見つけるのか。そして、学んだ知識をいかに応用していくのかということだった。こういうことこそ、学校で基礎として教えられたらいいのになと感じる。

    「まずは、何でも疑ってかかるクセをつけてみる。本格的な勉強をしようと思ったら、それが勉強するために必要な基本的な姿勢です。極端なことを言えば、勉強は疑うことからしかはじまらないと私は思っています。学びたいという欲求は、何か疑問があったり反論があったりするところから湧き出てくるものです。」

    この言葉も好き。ぼくは本の言葉だと素直に受け止めてしまう方なので、もっと疑問を持つことを大切にしたい。ぼくは持病をいろいろ持っているんだけど、病気や薬のことを勉強する時は疑問が出発点になってるなと思った。どうして病気は起きたんだろう、薬はどうやって効果を出すのだろうとか。疑問とか反論とか不安とか、そういう一見ネガティブな言葉が勉強の火をつけてくれるというのが面白いよね。

    “勉強”をする前に、“学ぶ”ってなんだろうと最初の疑問を投げかけてくれる一冊。

  • 読んでる間から本文を疑ってしまう本。バイブルになる気がする。

  • どうやって、自分の興味のあることを、勉強して行けば良いのかがわかった

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著者プロフィール

柳川範之(やながわ・のりゆき)東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授。中学卒業後、父親の海外転勤にともないブラジルへ。ブラジルでは高校に行かずに独学生活を送る。大検を受け慶應義塾大学経済学部通信教育課程へ入学。大学時代はシンガポールで通信教育を受けながら独学生活を続ける。大学を卒業後、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。主な著書に『法と企業行動の経済分析』(第50回日経・経済図書文化賞受賞、日本経済新聞社)、『40歳からの会社に頼らない働き方』(ちくま新書)、『東大教授が教える独学勉強法』『東大教授が教える知的に考える練習』(草思社)などがある。

「2023年 『東大教授が教える 「自分の頭で考える力」の鍛え方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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