「日本国憲法」なのだ! 改訂新版

  • 草土文化
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  • Amazon.co.jp ・本 (75ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794510648

感想・レビュー・書評

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  • 憲法記念日なので、久々に引っ張り出してきて読んだ。漫画部分を見るだけで、第二次世界大戦を経ての、もう戦争したくないという、日本国憲法に対する強い思いが伝わってくる。その後の永井氏と赤塚氏の対談からも、今のロシアのウクライナに対する蛮行とあいまって、植民地から引き上げてきた、無事引き上げられた赤塚不二夫さんの真摯な思いを感じる。戦うための何の手段もないのは怖いけど、今の憲法の精神は守りたいという気持ちになる。

  • 赤塚不二夫の漫画は冒頭のみ。

    対談、赤塚不二夫と永井憲一の文章について、まあ特筆すべきものはない(想定通り)が、日本国憲法ならず大日本帝國憲法の記述は良かった。

  • 1983年4月に初版発行された本を2013年5月に版を改めて改訂したもの。83年に行われたメインの赤塚不二夫と永井憲一(法学博士)の対談が昨日今日収録したものかであるように何より驚いた。

    <blockquote>永井 どこの国でも、いまの日本のような憲法のもとで、自民党政府がやっているような自分勝手な解釈で軍備を持ったりするような大胆なことは出来ないのが常識なのですよ。
     だから自民党としては憲法をつくりかえたいのです。そうしないと実際の政治とつじつまが合わない。(P.27)</blockquote>

    <blockquote>赤塚 文部省という役所が、「おい右向け」っていったら右を向くような人間ばかりつくりあげている。(P.27)</blockquote>

    <blockquote>永井 いまの大学生をみていると、政治に無関心なばかりか、どうも他人に対する気配りさえないのが多ういのです、自分自身さえなくて、その自分自身も、ある特定の人頼らないと生きていけない、そういうのがますます増えている。そういう若者ばかりが育てられている気がします。(P.30)</blockquote>

    <blockquote>赤塚 くやしいのは、終戦になって、民間人のぼくたちは、軍隊が守ってくれるどころか置き去りにされたことですよ。最初に逃げたのが軍部だった。(中略)そういう目にあっているから、いくら政府が自衛のための軍隊だ、なんて説明しても、ボクを守ってくれるものじゃないって、てんで信用してないもの。(P.31)</blockquote>

    <blockquote>永井 だから戦後において、本当に民主主義が定着する時期がもっと長くあったら、そういう法律も、どんどん変えられていったはずです。戦前からの日本の伝統が、いまでも国民の生活の様々な場面に、根強く残っているのですよね。「主人」「奥様」という呼び方が残ってますようにね。だから、日本と国は、意識的に変えないと、黙っていると戦前の状態に戻りやすいということもありますしね。(P.34)

    *引用者注:戦前の法律から戦後の憲法にも矛盾しないので引き継がれた法律。その中でも戦後には意味を成さなくなった法律。「親族会議」六親等の親族など)</blockquote>

    集団的自衛権の行使を認めてこなかった憲法解釈を変更し、行使を容認する閣議決定を行ったのは安倍首相の意志であるような見方があるけれども(自分もそう感じてきたし。それらが安倍はファシストだ、辞めろなどというデモに繋がっているのだと思うけれども)、自民党の積年の課題、意志だったのだな。

    「最近の若者」云々はソクラテスの時代から"最近の若者はなってない"という落書きが残されたというし、時代は繰り返すのねぇという感じ。ここで批判されている"若者"がいまの社会のリーダー層になっているわけですが。

  • 読了。奥さんが、娘に買ってあげた本のようである。憲法は、正直、勉強するのは、なかなか辛い。文章がよくわからない。大事だと思うのだが、なかなか読めない。この本も好奇心だけで読むのは辛かった。ある種の義務感で読んだ。ラジオで赤塚不二夫が、終戦直後に中国から大変な思いをして日本に戻ったことを知った。だから読み終えることができたのかも知れない。娘も機会がくれば読むことになるだろう。帝国憲法も載っていた。それほどおかしいと感じなかった。だから今の状況は怖いのかもしれない。

  • こんなことも知りませんでした。

  • 天才 赤塚不二夫さんと
    法政大学法学部名誉教授 永井憲一さんの共著。

    「マンガ日本国憲法」と両者の対談、
    資料として日本国憲法と教育基本法
    大日本帝国憲法が収められている。

    両氏とも昭和の初めに生まれ
    終戦時、軍にも国家にも見捨てられた
    という苦い経験をしている。
    「国家」というものをはなから信用していないから
    こうした国を憂う言葉が出てくる。

    赤塚
    「役所が『おい、右向け』っていったら右を向くような
     人間ばかりつくりあげてる。そんな計画性を感じるん
     ですね。いまの子供たちだったら『おい、戦争だよ』
     といわれれば『ハイッ!』っていって出て行くような
     気がしませんか」
    永井
    「(親が死んで)自分自身で世の中に生きていかなきゃ
     ならないときが必ずくる。そのときに、自分が社会の
     中でどう生きるか、そういう判断力をもっていること
     が、いちばん教育のなかでたいせつにされるべきだと
     思うんです」

    30年前に出版された本だが
    当時から両氏は、我が国のあり方
    特に子供たちの教育に関して
    大きな不安を抱いていた。
    だからこの本が生まれた。

    そして2013年。
    改訂新版第1刷が発行されたのは
    この本が改めて求められる時代になったからだ。

    30年前といえば、中曽根内閣の時代。
    後藤田正晴さんが官房長官をしていた頃だから
    今から比べれば、ずっとまともな時代だったと思う。

    しかしいま
    国民が選挙で選んだ
    60年前の亡霊に導かれる者の下で
    日本は霧の中のカーブを
    猛スピードで曲がろうとしている。

    思考と話し合いを放棄し
    粗雑な力への帰属を渇望する病を
    引き起こす「菌」が
    私たち人間の中に常に潜伏していることは
    歴史が証明している。
    政治家がどんなに否定しようと修正を加えようと
    これはまぎれもない事実である。

    いま改めて日本国憲法を読み
    大日本帝国憲法と比べてみることは
    私たちにとって必要なことだ。

  • 天才バカボンの漫画家の赤塚不二夫さんと
    憲法学者の永井健一さんとの合作です
    ケムンパスもニャロメも全員集合して
    平和憲法と戰爭願望の権力が繰り広げてきた
    問題点を語り合っています
    そこには教育問題も大事な論点となっています
    更に二人の対談や
    永井さんの「憲法をよむまえに」があって
    日本国憲法
    児童憲章
    教育基本法
    大日本帝国憲法(明治憲法)
    がルビ入りで全文載っています

  • はじめに
    マンガ●日本国憲法
    「戦争はいたさないのだ!」 赤塚不二夫・断章 石子順
    素顔対談
    憲法をよむまえに
    資料●日本国憲法
       教育基本法
       大日本帝国憲法(明治憲法)

    ヘイトスピーチは、憲法第12条に違反しているってことか。

    敗戦後、満州から真っ先に逃げたのは軍部だった。沖縄戦で、軍隊は山の上に逃げて、民衆を前線に立たせた。がまに潜んでいる時、軍人は、泣く赤ん坊を殺させたり、がまから追い出したりした。軍人は人を守らない。

    映画『四つの自由』

    1931年(昭和6年) 満州事変
    1990年 子どもの権利条約
     1994年 日本

  • 「人間は生まれた時から死ぬまでふつうに生きる権利があるワ」
    「だけどこれはいつも努力しないとなくなってしまうかも」
    ハジメちゃん、アッコちゃん、バカボンのパパやニャロメ、べしやイヤミなどなど赤塚不二夫キャラ豪華総出演。楽しく深く考えさせられる一冊。
    日本国憲法、新旧の仮名遣いと大日本帝国憲法(明治憲法)と読み比べることもできる。自民党草案を手元に置きながら読むのもまた一興かも。

  • ついったでおすすめされてたので読みました。今読んですべてがストンと入って来るものではありませんでしたが、前半の漫画もわかりやすく、対談も興味深く…家に一冊置いといてもいいかな、と思いました。

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著者プロフィール

1935年9月14日、旧満州に生まれる。手塚治虫の『ロストワールド』に影響を受け、漫画家を志す。56年、『嵐をこえて』でデビュー、伝説のトキワ荘に入居する。62年、『おそ松くん』と『ひみつのアッコちゃん』の連載を開始。イヤミが口にする「シェー!」の言葉やポーズは日本中で大流行した。67年には『天才バカボン』と『もーれつア太郎』の連載が始まり大ヒット。バカボンのパパやウナギイヌ、ニャロメなど数多くのキャラクターを生み出した。主要な作品はアニメ化され、「ギャグ漫画の王様」とうたわれる。ほか代表作に『レッツラゴン』『ギャグゲリラ』など。98年に紫綬褒章受章。2008年8月2日没。享年72。

「2018年 『コアでいいのだ! 赤塚不二夫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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