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- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794806215
作品紹介・あらすじ
九月一一日のテロ攻撃以来、ハンチントンの「文明の衝突」論が再浮上する。それは、米国の一連の武力報復を暗黙のうちに正当化する。この状況に対して、著者は「文明の衝突」論が文化本質主義に基づく議論であることを明快に説く。また文化本質主義を前提するかぎり、われわれの世界が「恐怖と敵を作り出す文化」に蝕まれていくと警鐘を鳴らす。これまでも学術的レヴェルでは、ハンチントンの議論の難点が数多く指摘されてきた。だが、クレポンのように、状況に介入しつつ理論的な批判を行う試みはなかった。さらにクレポンが日本語版のために書き下ろした付論「文化と翻訳」では、ベンヤミンの翻訳論を出発点としつつ、カントの永遠平和論への回路が探られる。それは、同じく付論に収録された桑田礼彰「法・歴史・政治」、出口雅敏「文化の力の追求」の論考とともに、今後いっそうの困難が予想される状況への確かな視座を提供するはずである。
感想・レビュー・書評
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紛争が生じるかどうかは国際的な制度の信頼度や有効性とは無関係。紛争は力の純粋な関係から生じる。
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