デンマークのにぎやかな公共図書館-平等・共有・セルフヘルプを実現する場所

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  • 新評論
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794808493

感想・レビュー・書評

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  • 「セルフヘルプ」って素敵ですね。
    自分の知りたいことを自分で調べるために図書館に行く。
    司書はあくまでサポート役で、答えそのものではなく調べ方のお手伝いをせんならんわけで。
    スマートにサポート出来るようになりたいものです。あたふた。

  • リビングウィル(ヒューマン)・ライブラリーについての記述があります。

  • 67

  • 図書館にあるので読んで見たい
    市民に浸透した存在
    その工夫点を探りたい

  • 北欧の図書館といえば、フィンランドの図書館が有名ですが、
    実は北欧で最も成熟した図書館システムを持っているのは、
    デンマークの図書館だという。

    子どもからお年寄りまで幅広い利用者層を持ち、空気のような存在感の図書館。
    利用者の司書への働きかけも積極的で、順番待ちもできるとのこと。
    図書館の役割は、本を貸したり調べ物をする場所を提供するだけでなく、
    生涯学習の場所であったり、マイノリティーの人たちの支援の場所でもある。

    書籍が電子化され、サービスがネットでできるようになっても、
    図書館が市民生活の中心であり続ける社会は理想です。

    『図書館って、なんだか可能性がある場所なんだ』(254ページ)

  • 江東区図書館

    1930年代に、教育者グルントヴィが、対話を中心とする全人教育を打ち出し、生涯学習の重要性を説いた。民主化運動に深い影響を与え、生涯学習機関フォルケホイスコーレの設立に結実した。

    21世紀の図書館の役割として、住民サービス窓口との連携、学校図書館との一体化、移民などマイノリティの宿題カフェなどがあげられる。

    図書館を住民の政治参加の場にする、との思いで作られたデモクラシーコーナーでは地元議員と住民とのインフォーマルな対話の場が持たれている。

  • 北欧3つの基本、「平等」、「共有」、「セルフヘルプ」をコンセプトに展開する、小規模ながらもさまざまな仕掛けが埋め込まれたデンマークの図書館が目指しているもの。成功しているものから実施してはいるもののまだまだ認知度が低いもの、課題が残るものまで、さまざまなサービスが紹介されている。リビング・ライブラリーについても少し。図書館は「エンパワーメント」の場所である。←本当にそうだなぁ、そうであってほしいと感じる。

  • 図書館界に燦然と輝く(らしい)北欧の中でも成熟した図書館システムを持つデンマークを中心に公共図書館を見て回った記録。

    著者が最初に書いているとおり、あとからじわじわすごさがわかる。
    サービス自体は「ふーん」で終わる程度のものが多い。
    これならうちの近所でもやってるよなとか、開館時間はむしろあそこのほうが長いよなとか。

    でも、理念や利用者の使い方(使わせ方)や試みをみていくうちに、うわすげえってくる。
    在り方、存在感が違う。
    そのサービスがなんのために行われているのか、姿勢が明確。
    こうあろうとする姿と、受け入れられ方が日本(の私の知っている図書館)と違う。
    「空気のように当たり前」は、「空気のように必要」でもある。

    図書館は単に本が置いてある場所じゃなくて、情報を保障する場所。
    自分が生きていくために、いろんなことを選べるように、選ぶための知識を得る手伝いをする場所。
    必要な人に必要なものを提供する場所で、なおかつすべての人を受け入れてくれる場所。

    シェラン島の駅に併設された…というか駅と図書館と郵便局をかねた小さな図書館が印象に残った。
    本屋もないような小さな町にも(だからこそ)図書館を作る。
    図書館が必要なものだと認識されていることに安心する。

  • 表題はデンマークの公共図書館、となっているがデンマークの公共図書館を中心に他の北欧諸国の図書館も紹介されている。
    デンマーク自体詳しく知らなかったので、移民・難民向けのサービスが特に充実している様子が印象的だった。開館時間が短かいためフルタイムの仕事の人は利用が少ないとのことだが「大切なのは、コミュニティに安定して図書館が存在していること」だそう。なるほど。

  • 2011 4/17読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りて読んだ。
    本学・本研究科の吉田先生の著書。
    2008.8-2009.3にかけてデンマークに滞在・研究されていた歳の経験に基づき書かれた本。
    その吉田先生との交換扱いで自分の研究室でデンマークからの留学生を受け入れたりもしていたこともあり、デンマークの図書館や図書館をめぐる制度+デンマークそのものに興味があり借りてみた。
    前から読みたいとは思いつつも指定図書になっていて借りられる日数が短く尻込みしていたのだが、新学期で指定図書から外れていたのを見計らってゲット。
    デンマークの普通の図書館の魅力が描かれていて、ぜひ行ってみたくなった・・・夏に(笑)
    図書館あるいは読書シーズンは秋~冬だってわかってても、じめじめ+真っ暗な冬はやはり辛そうである。

    ちなみに特に気になったところのメモ:
     ・デンマークの公共図書館はにぎやかな場:
      ⇒・静寂コーナーがある=常態はうるさい
      ⇒・飲食も可・・・飲み物だけでなくランチも
     ・移民・難民向けのサービスの充実
      ⇒・欧州共通の課題だろうが、ここまで全面に出ているのは面白い

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著者プロフィール

吉田右子
筑波大学大学院図書館情報メディア研究科教授。 
著書に『メディアとしての図書館』(日本図書館協会)、『デンマークのにぎやかな公共図書館』(新評論)、『オランダ公共図書館の挑戦』(新評論)などがある。

「2023年 『テーマで読むアメリカ公立図書館事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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