ねこに未来はない

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 76
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794940780

感想・レビュー・書評

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  • ねこ嫌いだった作者がねこ好きな人を好きになって結婚してねこ好きになって描いたお話し
    ( ΦωΦ )ニャ
    『わが友マーマレード・ジム』
    作者が『マーマレード・ジムの華麗な冒険』(アラン・シリトー)を読んであらすじを描き、そこからねこの本にハマっていったお話し
    ああわかるー^^*
    『ねこに未来はない』は、昔だからかな?そんなにねこはいなくなってたんだと驚いた…けど
    『わが友マーマレード・ジム』のお話しはほっこりしました。

  • 詩人長田弘による猫エッセイ。猫を飼っていた日々を綴っていますが、今の感覚で猫好きの人が読むとショックを受けるかも知れません。時代がもつ猫観の違いが興味深くはありますが。
    猫の気ままさ、気まま故の愛らしさが軽やかな筆で書かれています。しかし、だからこそ不意に訪れる別れの空虚さも大きいのですが。昭和40年代の風俗小説として読んでも面白いかも。
    巻末にはアラン・シリトーの「ママレード・ジムの華麗な冒険」も紹介されていますが、これまた軽やかな文体が長新太のイラストと相まって楽しいです。

  • ぼくも猫が好きではなかった。というよりも、猫好き過ぎる人を好きになれなかったのだ。
    でも人を見ないで猫だけ見ていたら、また好きになりました。
    良き隣人であればいいなと願いつつ。
    顔を見せない間、彼らはどこでなにをしているのやら…。

  • 猫と一緒に暮らす新婚の夫婦のお話など。
    長新太さんの挿絵が楽しいです。

    • pa-tomamaさん
      私は33年前に読みました。それでも忘れられないのはまったく正確ではないのですが、「てのひらをひらいてごらん。何がなくなったかわかるかい。にぎ...
      私は33年前に読みました。それでも忘れられないのはまったく正確ではないのですが、「てのひらをひらいてごらん。何がなくなったかわかるかい。にぎりこぶしさ。何かがなくなるときはこんなふうに突然でも完全になくなるのさ」という部分です。詩人の言葉だなと思いました。
      2011/11/13
    • ayumiiさん
      pa-tomamaさま
      その言葉には気がつきませんでした・・・おもしろいですね。
      自分からは出てきそうにない発想が、ひょろっと文章の合間...
      pa-tomamaさま
      その言葉には気がつきませんでした・・・おもしろいですね。
      自分からは出てきそうにない発想が、ひょろっと文章の合間に出てくる感じは、結構好きです。
      2011/11/17
  • 猫には前頭葉がなく、先のことを予期する能力がない、ということがこの本に書かれているというので読んでみました。
    1971年に出版された本です。当時は情報もなく、動物愛護の風潮も少なく、これで良かったのかもしれませんが、あまりにも猫の扱いがぞんざいです。この夫婦は、猫をどんどん死なせたり行方不明にさせたりします。

    どこまでが実話でどこまでが詩の世界なのかよくわかりません。
    しかし、詩人としての表現だとはいえ、猫の事故や行方不明をグングンとふくらませた表現をして、それは猫を失った自分たちを楽しんで、いろんな言葉を飾り付けているようです。

    この人は、猫嫌いのままでいればよかったのに。現在の僕の価値観では、この猫の扱いには耐えかねます。多分そういう触れ方をする本ではないのだろうけど、つらすぎて、たとえフィクションだとしても、詩集だとしても、もう二度と読もうとは思えない本でした。

  • ネコを飼ってみたいとおもっていたけれど
    せつないから、やっぱりいまいるちゃびだけで充分。

  • たしかに昔、ねこというのは「いつのまにかいなくなる生きもの」だった。東京に来て、室内で猫缶をあたえられている猫をみたときは、かなりのカルチャーショックでしたね。詩人の長田弘さんが書く新婚カップルの生活は、どこかボリス・ヴィアンの小説みたいに懐かしい時代の響きがして、そんな彼らの人生の中にふらりと訪れ、突然消えてしまうねこたちの物語も、甘くてさびしい響きがする。タイトルがなんとも秀逸です。

  • 僕と暫くのあいだ一緒に暮らしていた、あの気高いネコはどこに行ってしまったんだろう。

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著者プロフィール

長田弘(おさだ・ひろし)
1939年、福島県福島市生まれ。早稲田大学第一文学部独文専修卒業。詩人。65年、詩集『われら新鮮な旅人』でデビュー。98年『記憶のつくり方』で桑原武夫学芸賞、2009年『幸いなるかな本を読む人』で詩歌文学館賞、10年『世界はうつくしいと』で三好達治賞、14年『奇跡―ミラクル―』で毎日芸術賞をそれぞれ受賞。また、詩のみならずエッセイ、評論、翻訳、児童文学等の分野においても幅広く活躍し、1982年エッセイ集『私の二十世紀書店』で毎日出版文化賞、2000年『森の絵本』で講談社出版文化賞を受賞。15年5月3日、逝去。

「2022年 『すべてきみに宛てた手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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