- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794961723
作品紹介・あらすじ
京都、中西印刷。活版印刷では日本有数の技術をもつことで知られる老舗が、コンピュータによる電子組版を導入することになった。難問山積のなか、活版時代の名人芸に負けない品質の組版・印刷のノウハウをあみだしてゆくまでの書き下ろしノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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活版印刷からの移行に苦労する印刷会社のお話。
終盤、「印刷は文化である」との章、まさにその通りかと。
できれば、もっと写真が多用されていると解りやすかったかと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「活字が消えた日 コンピュータと印刷」中西 秀彦
活版産業の終焉ドキュメント。
活版印刷はその長い歴史の中で、組版技術の粋を極めた。特に日本の活字組版は職人技で、著者は京都の伝統ある印刷屋の若旦那。
その活版の老舗・中西印刷が、活字を捨てて電算写植に移行した経緯を詳細に記録しています。
'94年の発行ですが、著者の先見の明には恐れ入る。そして、その後のたかだか10年程度でこれほど急速な製版革命(DTP)が起きようとは、個別の印刷屋のみならず業界全体でも大変化だったのだろうと思います。
そのあたりの歴史を知る上でも非常に分かりやすい資料です。
僕の好きな言葉に「印刷屋は文化を支える.いつまでも 誇り高き職人であれ」とあるんですが、まさにそのことが最後の方で触れられていて、ちょっと嬉しくなりました。
印刷がただの情報処理の一形態として、時代遅れのものと切り捨てられないようにしたいなあ。
いろいろと勉強になった一冊。(5) -
活版印刷の老舗にもDTPの波がやってきた!
DTP黎明期の混乱と「文字」の広大で奥深い世界!消えた物は活字だけではなかったのです。