すぐそこの遠い場所

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  • 晶文社 (1998年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794963819

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すぐそこの遠い場所の感想・レビュー・書評

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  • ファンタジーって難しい。

    身も心もすっかりその世界に入り込めれば問題は無いが、
    「よいしょ」と、跨いだまま、上空からぬぅ~っと
    眺めたりしていたのでは
    (ここって要するに玩具の国って事なんだよな。)
    などと、余計な理性がチラチラ顔を出し、
    ほんと、ゆっくり読書に集中できない事もある。

    そこで(大事だな。)と感じたのは

    もしかしたらこんな不思議な世界がどこかにあるのかも知れない!

    と、信じさせてくれる鎖の存在だ。

    こことそこを繋いでいる鎖。

    その点、この本のタイトルは最高だ。
    『すぐそこの遠い場所』

    (見えるけど見えない)
    (見えてないけど、本当はあるもの)の存在くらいは
    きっと誰もが知っている。

    次々に中味が変わって行く不思議な辞典の中に
    どこかで見たような、
    いや、一度も見た事は無かったのかも、

    前から知っている様な
    いや、初めて聞いたかもしれない。

    読後も本を読んでいた様な、
    いや、読んでいなかったかも知れない。

    曖昧な読後感の中で、ぽぉ~っとしているその間にも
    辞書のページは再び真っ白に戻って行く。

    手に残った鎖をひき、繋がっていたものが
    (不思議な辞書)についての
    答えをきっとくれるはず。

  • 何処かにあるアゾットという異世界の辞典。

    コレは面白かった。

    アゾットの世界は21エリアからなるそうですが
    そのエリア一つ一つに特色があって、
    この世界とはまた違う法律もあって・・・

    でも時々、この世界ともニアミスしてて・・・

    アゾットに行きたくなる本でした。

  • クラフト・エヴィング商會の先代が大切にしていた謎の書物「アゾット辞典」。そこには不思議な世界アゾットについて書かれている。見るたびに中身が変わるというその書物を、 クラフト・エヴィング商會は翻訳することにした。 寝る前に少しずつ、2ヶ月くらいかけて読んだ。読んでるうちにアゾットの世界に行ってしまいそう。紙石鹸に書かれた詩が好き。

  • 「アゾット事典はひとつの手がかり」ということでこのような素敵な翻訳?事典を作られたことに驚く.挿絵も素晴らしい出来で空想の世界が広がります.内容もなかなかに哲学的で,最後の方で「エラノス・カフェ」が登場して最後がO,D,G.楽しめました.

  • 読書会の課題本である「クラウド・コレクター」の姉妹編ということで、図書館から借りてきた。「クラウド・コレクター」に登場する”アゾット”といわれる架空世界の設定資料集みたいな本だった。半分近くが挿絵や写真なので、読むのにそれほど時間はかからない。面白い部分もあったが、説明内容がただの駄洒落でしかなくて、拍子抜けさせられた部分も多い。

  • 素敵、とか、面白い、綺麗、で終わらない、何かふと足元の不安になる世界。

  • クラウドコレクターを読んでからの方がいいと思います。素敵なイメージの品々。テキストと写真。

  • とても不思議な世界。

  • 「手を伸ばすたびに逃げていく不思議な世界」

    祖父・吉田伝次郎が大事にしていたという『アゾット事典』。この事典には、「アゾット」という名の、例えば夕方にだけ走る小さな列車や忘却事象閲覧塔、星屑膏薬、哲学サーカスなど数々の不思議に満ちた世界のことが書かれている。見るたびに変わってゆくのだというこの事典の中身とは?

    不思議といえば不思議なんですが、
    決して無いとも言えないような知的空想の世界。

    アゾットに住む人たちはみな物忘れがひどいらしい。

    アゾット式に考えると人の記憶というものは耳から螺旋状に渦を巻いて体内に入りこみ、
    頭のつむじから螺旋状に回転しながら蒸発してゆきます。これが「忘却」です。

    なので忘却防止のために彼らは大昔から帽子をかぶってきました。
    帽子の中には記憶がとどめられており、そのことを重んじるアゾットには
    「帽子研究所」なるものがあるのです。

    蒸発した記憶は雲となりそこから降る雨の中には人々の記憶が含まれていると信じられています。
    雨から取り出した忘却結晶に砂糖を混ぜて丸い菓子にしたものが「クラウド・シュガー(雲砂糖)」。

    これ食べるとどうなると思います?

    体内において誰のものとも知れぬ「記憶」が分解再生されて、
    全く未知の新しい体験ができるというのです。

    活字好きのあなたなら、アゾットの「校正士」にもふるえがきそうです。

    彼らが印刷所において拾い出し集めた「ゴジ」とよばれる誤った活字たちは彼らのひそかな宝物。
    なぜなら「校正士」は職を引退したのち生涯をかけて集めた「ゴジ」のみを利用して
    一冊の新しい書物を著すことが許可されているからです。
    その献辞が揮っている。

    ―すべての、葬られた文字たちのために―

    何事も忘れ去ってしまうというアゾットの人たちが
    その豊かな感性の世界をとどめておこうと書かれたはすの『アゾット事典』ですが、
    皮肉にも、事典に「書くということ」によって
    同時にそこに「書かれていないこと」が浮かびあがってきます。

    ではその「書かれていないこと」を書こうとすると、
    さらに新たに「書かれていないこと」が浮かび上がって…ああ、エンドレス。
    そのうちに最初に書かれたことなんてもう忘れちゃいますよ。

    目の前にあるのに手を伸ばすたびに逃げていく、そんな不思議な世界が「アゾット」なんです。

    さておじいさんの持っていたという『アゾット事典』。
    実物が気になるところですが、写真もちゃんと載っています。
    箱の中の事典の本体は、なぜかページが綴じられておらずカードのようにばらばら。
    なんとそこに書かれていたものは…

  • 新鮮だった。

    架空世界の事典。
    視点や言葉が好きです。


    *星屑膏薬【スター・ダスト・リップクリーム】
    *夕方にだけ走る小さな列車
    *哲学サーカス団
    *空飛ぶじゅうたんの上のものすごく太った猫の話
    *かなでるものたち
    *エラノス・カフェ

    特に好き。

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